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  • ブログ・高橋 久美子

    第22回:あなたにとって映画「ロッキー」とは(2)

    2010年1月20日

     
     
     

     さて、先週の続きです。「映画・ロッキー」を観て、一番あなたの心に響いたシーンと、その理由を考えてみましたか?あなたの心に響いたシーン、実は、そのシーンは「あなたの過去の経験の中で、とても印象に残っている出来事」とリンクしている場合が多いのです。しかも、その出来事は「楽しかった事」ではなく「悔しかった事」「悲しかった事」である事が多いのです。いかがですか?思い当たることはありますか?同じ映画を観ても、「その人の経験した過去」によって印象に残る部分が全く違ってくることを、覚えておいてください。


     さて、ここでビジネスの話に戻します。ある運送会社の社長さんの話です。仮にAさんとします。Aさんは「うちのドライバーはあいさつや態度がいいんだ」というのが自慢です。新規営業をするときも、荷主にその点を特にアピールします。ところが、力強くアピールしても荷主の反応が、思ったほどよくないそうです。なぜだかわかりますか?
     Aさんは「荷主にとって重要なことはドライバーの態度や質だ」と考えています。実はこれは、Aさん自身が「ドライバーの態度や質の悪さで、とても苦労した経験がある」ことに起因しています。あなた自身の事に置き換えて考えてみてください。今、あなたが自信を持っている点、それは、実は過去の大きな失敗やトラブルをきっかけに改善されたものである場合が多いはずです。または、社長であるあなたのコンプレックスから起因している事かもしれません。
     当たり前ですが、あなたの過去と、荷主の過去は違います。ですから、あなたが「最も重要」と考えることと、荷主が「最も重要」と考えることは違うのです。それなのに、自分が重要と思うことを「きっと荷主も重要と思っているはずだ」と、考えてしまっている人がとても多いのです。これでは、独りよがりで、価値観を押し付ける営業になってしまいます。荷主の反応が悪いのは当たり前ですよね。
     このように「現在」の会話の中でも、それぞれの頭の中では「過去」を基準に話をしています。例えば過去に「十分な貨物保険に入っていない運送会社と取引したために、大きな損害を被った経験がある」という荷主は、保障がしっかりした保険に入っているかどうかを重視するでしょう。もしかしたら「ドライバーの態度が悪いことで、納品先のお客からクレームが入った」という経験があれば、ドライバーの態度を重視するでしょう。
     ここまでの話で、ロッキーの映画の感想の違いから学ぶべきことを整理してみますね。「あなたが重要と考えていることは、あなたの過去に起因している」→「それは、荷主が重要と考えていることとは違う」→「荷主が重要と考えていることは、荷主の過去に起因している」
     つまり、どうすればいいのか?あなたはもうわかってきましたよね。そうです。新規の荷主には「過去に運送会社と契約して困ったこと(あるいは今、困っていること)」を聞き出すのです。明日から、ぜひ営業に取り入れてみてくださいね。
    全国中小規模運送会社・経営改善推進委員会代表 高橋久美子
    http://www.handlecover.com/kaizen/

     
     
     
     

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  • 筆者紹介

    高橋 久美子

    あなたの会社が儲かっていない本当の理由
    規制緩和により、夢大きく独立開業した運送会社の社長たち。その社長さんたちが、規制緩和後の業界環境の変化により、今、とても厳しい状況に立たされています。経営不振の影響によるメンテナンスの不備も懸念され、それが引き起こす悲惨な交通事故も、連日ニュースで報道されています。このような危機的状況を受け、中小規模運送会社の根本的な経営改善と救済を目的として発足したのが、私たち「全国中小規模運送会社 経営改善推進委員会」です。

    全国中小規模運送会社 経営改善推進委員会

     
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