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ブログ・高橋 久美子
第134回:「大きいこと」への反省
2012年9月25日
いま「傭車」と「協力会社」に対する考え方が、大きく変化しています。これまでは、ほとんどの中小運送会社が「協力会社に走ってもらうのは、自社の車が埋まっているとき」という考え方を持っていました。しかも、ほとんどの人が、「自社で走った方が本当は安心」と思っていました。
しかし、これから数年のうちに、この考え方は大きく変化していくことになります。いえ、なにも運送会社に限った話ではありません。アウトソーシングや外注といった、自社以外の協力会社との関係の考え方が、時代の変化とともに、既に大きく変わってきているのです。しかも、日本だけでなく世界中でです。では具体的にどんな風に変わっているのでしょうか?
その話をする前に、我々中小の運送会社を取り巻く環境が、いま一体、どんな風に変化しているのか、少し具体的に見てみましょう。
ひと昔前、経済が右肩上がりに成長していた時代には、企業は拡大路線をとることを前提として運営されていました。中小の運送会社も例外ではありません。1台のトラック持ち込みから始めて、10台、20台、50台、100台…、中小の運送会社の経営者なら、ほとんどの人が、車庫にピカピカのトラックをズラリと並べることを夢見ていました。
日本経済全体が成長していた時代ですから、荷主企業の業績も伸びていました。ですから、荷主の要望に誠実に応えていれば、確固とした信頼関係を築くことができ、荷主企業の事業の拡大と共に運送の仕事も増えていきました。この時代は「大きいことは、いいことだ」なんていう流行語が流行った時代で、トラック台数が多いこと、従業員数が多いこと、広い倉庫、広い車庫…日本中の誰もが、「拡大」こそが、企業の目指すべき姿だという価値観を持っていました。
ところが、日本の経済成長は止まりました。経済ゼロ成長時代の現代で、中小の運送会社はどんな経営戦略をとるべきなのでしょうか? 来年もあなたの会社に現金を残すための話をしていきます。この記事へのコメント
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筆者紹介
高橋 久美子
あなたの会社が儲かっていない本当の理由
規制緩和により、夢大きく独立開業した運送会社の社長たち。その社長さんたちが、規制緩和後の業界環境の変化により、今、とても厳しい状況に立たされています。経営不振の影響によるメンテナンスの不備も懸念され、それが引き起こす悲惨な交通事故も、連日ニュースで報道されています。このような危機的状況を受け、中小規模運送会社の根本的な経営改善と救済を目的として発足したのが、私たち「全国中小規模運送会社 経営改善推進委員会」です。
全国中小規模運送会社 経営改善推進委員会 -
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