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ブログ・高橋 久美子
第156回:靴下のセールス会場
2013年3月5日
2010年元旦、釜山で一泊した後、私はバスや地下鉄を使って、2週間かけて韓国をぐるりと一周することにしました。釜山からソウルに向けて北上するごとに、どんどん気温が下がっていきます。
この年は「韓国に寒波の大魔王が下りてきた年」と言われ、世界的にニュースになったほどの寒さでした。ソウルではマイナス20度を超え、線路や路面の凍結で交通機関がストップした日もありました。
孤独の旅のルールの一つに「なるべく寒い場所に行くこと」があります。暑いリゾート地に行ったのでは、何となく気分がウキウキしてしまい、孤独感が湧かないからです。耳が痛くなるほどのソウルの厳しい寒さは、孤独を感じるためにはベストな環境でした。
さて、どんな国に行った場合でも、私が一番興味があるのは、やはり商売の方法です。私が韓国で最も衝撃を受けたのは「靴下のセールスマン」です。スーツケースにいっぱいの靴下を詰め込んだおじさんが、ある場所でスーツケースを開いて、大声でセールスを始めました。靴下を両手にはめ、この靴下がいかに素晴らしいかを力説しています。時には「どうぞ、さわってみて」と、前方にいる人の目の前に、靴下をはめた両手を突き出しています(といっても、私は韓国語がわからないので、何と言っているかは理解できていませんが)。
さて、この靴下セールスのおじさんは、どんな場所で、スーツケースを開いて商売をしていたと思いますか? 路上でしょうか? リヤカーや、軽トラックの荷台でしょうか?
なんと、「地下鉄の車両の中」です。もちろん、動いている車両です。車両の真ん中でスーツケースを開き、大きな声で乗客にセールスを始めたのです。私が乗っていた車両に買う人がいないとわかると、さっさとスーツケースを閉じて、隣の車両へ移動しました。そして、隣の車両の乗客を相手にセールスを再開していました。私は、たくましいセールス魂を目の当たりにして、とても刺激を受けました。この記事へのコメント
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筆者紹介
高橋 久美子
あなたの会社が儲かっていない本当の理由
規制緩和により、夢大きく独立開業した運送会社の社長たち。その社長さんたちが、規制緩和後の業界環境の変化により、今、とても厳しい状況に立たされています。経営不振の影響によるメンテナンスの不備も懸念され、それが引き起こす悲惨な交通事故も、連日ニュースで報道されています。このような危機的状況を受け、中小規模運送会社の根本的な経営改善と救済を目的として発足したのが、私たち「全国中小規模運送会社 経営改善推進委員会」です。
全国中小規模運送会社 経営改善推進委員会 -
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