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ブログ・高橋 久美子
第239回:将来の売り上げをつくるために
2014年10月6日
繁忙期に、ある行動をすることで閑散期の売り上げを確保している運送会社が存在します。一体何をしているかというと、繁忙期にこそセールスレターを発送します。すると繁忙期が終わる頃には、少なくとも数十社の「見込み客リスト」が手元にできています。
運送業では「見込み客」という概念があまりないのですが、実は通常のビジネスの場合は、この「見込み客」の存在がビジネスの将来を握る重要なカギになります。
マーケティングのステップを考えるとき、お客は販売者との関係性の深度から3段階の区分に分けることができます。(1)潜在客(2)見込み客(3)既存客です。(1)まだあなたのことを知らない人(2)あなたのことを知ってはいるけどまだ取引したことがない人(3)はあなたと取引をしている人、あるいは取引をしたことがある人──です。
ここで少し、想像してみて下さい。例えば、この3段階のお客に対して同じセールスレターを送ったとします。この場合、反応率はどうなるでしょうか──。そうですね。あなたのことを知っている見込み客、さらに、取引したことのある既存客のほうが圧倒的に反応率は格段に高くなります。
ですから、通常のビジネスでは「見込み客を集めること」が、将来の売り上げをつくるために最も重要なことになります。工務店なら見学会、資格ビジネスなら資料請求、化粧品通販ならサンプル請求が、「見込み客集め」になるわけです。だからこそ、ここに一番お金をかけているのです。
ところが、先ほどお話ししたように運送業の場合は、この「見込み客集め」という概念がありません。ですから、仕事が切れてしまったときに、まったく知らない人にアプローチしなければならなくなります。これでは、なかなか反応が得られないのも当然です。
ですから、繁忙期にセールスレターを送って、見込み客集めをするのです。荷動きが落ち着き始めたら、見込み客に連絡を始めます。「先日、お電話いただいた○○です。せっかくお電話いただいたのに、対応できなくて申し訳ありませんでした…」。いかがでしょうか。「はじめまして、○○です」というよりも、何倍も話を聞いてもらいやすいということは、あなたにも容易に想像できると思います。この記事へのコメント
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筆者紹介
高橋 久美子
あなたの会社が儲かっていない本当の理由
規制緩和により、夢大きく独立開業した運送会社の社長たち。その社長さんたちが、規制緩和後の業界環境の変化により、今、とても厳しい状況に立たされています。経営不振の影響によるメンテナンスの不備も懸念され、それが引き起こす悲惨な交通事故も、連日ニュースで報道されています。このような危機的状況を受け、中小規模運送会社の根本的な経営改善と救済を目的として発足したのが、私たち「全国中小規模運送会社 経営改善推進委員会」です。
全国中小規模運送会社 経営改善推進委員会 -
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