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  • ブログ・川﨑 依邦

    経営再生物語(243)人材教育

    2019年5月13日

     
     
     

     1.従業員人材育成への取り組み

     

     ・A社トップの実践行動

     トップは全社員に周知するために各職場に模造紙を使って、自ら作成した〝組織風土の変革方針10か条〟を発表した。

     まず、①自社の好ましくない職場風土として、次のように指摘した。「従業員意識調査表から伺われるのは暗い職場ということだ。仕事への取り組みも私語が多くダラダラしている面がある。声掛けを始めとするあいさつができていない。車中に食べ残しの弁当や飲みかけの飲み物缶が放置されている。清潔さが足りない。管理者も見て見ぬフリをしている。これでは我が社はピンチ」。そこで、②自社の好ましい組織風土として、次のように変革方針10か条を発表した。

     ①あいさつは明るく大きくはっきりとしよう②見て見ぬフリはやめよう③制服はキチンと着用しよう④呼ばれたら「ハイ」と返事をしよう⑤身だしなみ(髪、爪の色)は爽やかにしよう⑥ミス、クレームは隠さず原因分析しよう⑦毎日の清掃はキチンとしよう⑧社速(車のスピード)はしっかり守ろう⑨感謝の気持ちを持って働こう⑩会社の代表は自分であることを自覚しよう

     必ず実行できる変革方針10か条である。頭でわかっていてもイザとなると実行に結びつかないこともある。だからこそ模造紙に書いて自らの熱意を伝えていく。「必ずできる」。ゆでガエル会社になってはならない。ゆでガエル会社とは、生ヌルイお湯に浸かって、いつまでも行動を起こさず、ついにはお湯の中でゆでガエルになってしまう会社のことである。ピンチをピンチとも思わない。危機感がない。正にゆでガエルである。

     運送会社の経営は心の再生がポイントである。諦めムードがある。いくら言ってもダメだ。どうしようもない。こうした意識を変革してプラス発想へと転換する。トップ自ら率先して行う。プラス発想とは職場風土それ自体の中に改革のエネルギーがあることを確信することである。改革エネルギーに蓋をしたり、閉じ込めたりしているのは何か。それはトップ自体の心にある。A社トップは変革方針10か条の実践によって会社全体の活性化にチャレンジし成果を上げている。

             (つづく)

     
     
     
     

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  • 筆者紹介

    川﨑 依邦

    経営コンサルタント
    早稲田大学卒業後、民間会社にて人事・経理部門を担当し、昭和58年からコンサルタント業界に入る。
    63年に独立開業し、現在では『物流経営研究会』を組織。
    中小企業診断士、社会保険労務士、日本物流学会正会員などの資格保有。
    グループ会社に、輸送業務・人材サービス業務・物流コンサルティング業務事業を中心に事業展開する、プレジャーがある。

    株式会社シーエムオー
    http://www.cmo-co.com

     
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