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  • ブログ・小山 雅敬

    第123回:通勤用の社員駐車場で発生した破損事故への対応は?

    2018年1月30日

     
     
     

    【質問】先日、当社の社員用駐車場で、車の窓ガラスが破損する事故が発生しました。破損の原因は不明ですが、社員から「会社の駐車場内で発生した事故なので、修理代を会社が負担してほしい」との申し出がありました。会社はどのように対応すれば良いでしょうか?


     駐車場での窓ガラス破損に対して、会社が修理代を負担する義務はありません。これはマイカー通勤管理規定の中に明記しておくべき事項です。「駐車場におけるマイカー同士の事故および駐車中に生じた破損、盗難など、いかなる損害に対しても会社は一切その責任を負わない」との条文です。この条文は「マイカー通勤者が通勤中に起こした事故について会社は責任を負わない」という通勤途上の事故に対する条文とセットで必ず記載されるものです。
     仮に駐車場内での破損事故まで、会社が責任を負う取り決めにした場合は、会社が事故のためにマイカー通勤を推奨していると見られることになり、通勤途上の事故に対して自賠法3条に基づく「運行供用者責任」を問われるリスクが高まります。マイカー通勤途上での事故で、会社が運行供用者責任を問われるケースでは、「会社がマイカー通勤を推奨していたか」「マイカーの通勤利用にあたり、ガソリン代や保管場所(駐車場)を供与していたか」などの点が判断材料になります。そのためマイカー通勤者に通勤手当を支給する際は、燃料価格に通勤距離を掛けて計算する方式より、通勤距離に応じて、あらかじめ一定額を決めておくほうが望ましいといえます。
     また、会社が敷地内を社員用駐車場として提供する場合に、駐車場使用料(月額2000円)を社員から徴求している会社もよく見られます。マイカー通勤は会社が推奨するものではなく、自賠責保険や一定基準(対人対物無制限など)以上の任意保険付保や車検の実施、酒気帯び運転なし、など会社が定めた条件を満たした場合に限り、許可するものです。
     東北地方のある運送会社では、「毎年11月までに冬タイヤに履き替えること」をマイカー通勤の許可基準に入れている例もあります。マイカー通勤は「原則禁止、条件付き許可」の鉄則を徹底することが労務管理上、非常に重要なのです。毎年定期的に任意保険や車検の更新を確認し、運転記録証明書の確認と併せて管理しましょう。また、「マイカー通勤管理規定」と「マイカー通勤申請書」、および本人の「誓約書」は労務管理の必須書類なので必ず整備してください。「通勤用駐車場使用規定」なども整備し、上記の原則を明確にしておくと、さらに良いでしょう。
    (コヤマ経営代表 中小企業診断士・日本物流学会会員・小山雅敬)

     
     
     
     
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  • 筆者紹介

    小山 雅敬

    コヤマ経営
    昭和53年大阪大学経済学部卒業
    都市銀行入行。事業調査部、中小企業事業団派遣、シンクタンク業務に従事。
    平成4年三井住友海上入社。中堅中小企業を中心に経営アドバイス、セミナー等を多数実施。
    中小企業診断士、証券アナリスト、日本物流学会正会員 等資格保有。

     
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