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  • ブログ・鈴木 邦成

    歴史的な工場・倉庫

    2008年9月26日

     
     
     

    世界遺産暫定リスト記載の「富岡製糸場」
     世界遺産暫定リストに記載された群馬県の富岡製糸場(国指定史跡 国指定重要文化財)を見学してきました。
     富岡製糸場は明治時代に殖産興業政策を揚げた政府が当時の輸出品の要であった生糸の品質改良と大量生産の実現のためにつくった官営工場でした。やがて民間に払い下げられて昭和62年まで操業されていました。
     平成18年に国史跡に指定され、日本の産業革命の原点となる貴重な工場、倉庫群として、群馬県内の絹産業関連のインフラとともに世界遺産の暫定リストに記載されています。
     以下、富岡製糸場での操業時のモノの流れを推定し、整理してみましょう。(ただし現在は操業されていません。)
    製糸場でのモノの流れ
     製糸場は繰糸場、乾燥場、倉庫、診療場、寄宿舎などからなっています。正面玄関から運ばれてくる生繭(原料繭)は乾燥場で荷受けされ乾燥され、二階建ての東繭倉庫、南繭倉庫に運び込まれます。正面玄関からほど近い東繭倉庫は一階が事務所で二階が保管スペースのメーンとなっています。ちなみに繭を保管することを貯繭(ちょけん)といいます。
     現在は繭は春夏秋冬の四季、四回にわたってとれますが、当時は春繭しかとれませんでした。そのため、可能な限り多くの繭を保管し、絹糸を生産したのでした。
     保管された繭は選繭場で選別されます。次いで煮繭場で、煮繭(しゃけん)の後に、操糸(そうし)とよばれる糸を繰る作業が操糸場で行われます。さらに生糸を大枠に揚げ返す「揚げ返し」が行われ、検査室でのチェックを経て製品の生糸となります。生糸は織物工場から縫製工場などに運ばれて着物、洋服、アパレル雑貨などになるというわけです。
     ちなみに赤レンガ造りの繭倉庫は各棟約2500㎡の延べ床面積を持つのに完成品の生糸倉庫は実に小さな保管倉庫です。
     工場や倉庫などの産業分野の世界遺産の存在に今後、さらに注目が集まってくることでしょう。富岡製糸場のみならず、多くのさまざまな歴史的な倉庫を大切にしていきたいものだと改めて感じました。

     
     
     
     
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  • 筆者紹介

    鈴木 邦成

    物流エコノミスト・日本大学教授
    国際政治経済、国際文化に関する造詣が深く、記事・論文・著作多数。
    欧米諸国の地域経済統合の流れを、物流・ロジスティクスの観点から追求している。
    国際物流に関するセミナーやロジスティクスに関する講演会での講師歴は多数。

     
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