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  • ブログ・鈴木 邦成

    第234回:段ボールの歴史

    2009年10月9日

     
     
     

     物流の重要な機能の一つに「包装・梱包」があるが、段ボールはその中軸的なツールといえよう。
     1871年、米国のジョーンズが紙に段をつけたものを包装材として特許を取得した。これが段ボールの始まりである。それまでは緩衝材として藁、おが屑などが使われていたが、それに代わり、ガラスびんなどの輸送の際に使われるようになった。
     その数年後、1874年にロングという人が、段が伸びてしまわないように段の片側にライナ(板紙)を張り合わせた片面段ボールを開発し、特許を取った。また同じ頃、両面段ボールも発明された。
     さらに、1895年にはウェルズ・ファーゴ銀行が小口貨物の輸送の外装に段ボールを使い始めた。なお、わが国では1909年に井上貞治郎が事業化した。戦後、産業の発展に伴い、木箱から段ボール箱へのシフトが加速し、輸送用外装箱などとして多方面、多産業で使用されるようになった。特に、高度成長期には段ボールの生産量は毎年二桁成長であった。
     また、段ボールの技術面も急速に進歩した。サプライチェーンの多種多様なニーズに対応するためには、段ボールは不可欠な存在といえよう。段ボールのメリットは軽量で丈夫で短期間で大量の輸配送に対応でき、在庫管理の効率化を促進するということになるだろう。
     現在、世界の段ボール生産量は1650億平方メートルと推測されている。なお、わが国では使用済みの段ボールの90%が回収、リサイクルされている。また段ボールの軽量化、リデュースについても段ボール関連企業の合理化努力が進んでいる。

     
     
     
     

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  • 筆者紹介

    鈴木 邦成

    物流エコノミスト・日本大学教授
    国際政治経済、国際文化に関する造詣が深く、記事・論文・著作多数。
    欧米諸国の地域経済統合の流れを、物流・ロジスティクスの観点から追求している。
    国際物流に関するセミナーやロジスティクスに関する講演会での講師歴は多数。

     
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