交通事故防止コンサルタントの上西一美です。先日、東京都内に本社を置くクライアント企業で運行管理者研修を担当しました。同社はほとんど事故がなく、Ｇマークも長期取得の認定が出ています。にもかかわらず、管理者研修と運転者研修は、全拠点を私が担当し、さらに弊社の12項目の動画配信を毎月視聴されています。

現在、動画配信の導入企業は７００社を超えていますが、そのほとんどは交通事故が比較的少ない会社です。この仕事を20年やっていますが、事故が少ない会社ほど研修に力を入れ、事故防止に対する費用をしっかりとかけています。

福岡に拠点を置く運送会社様でも、ほとんど事故は発生していませんが、この１０年間、２か月に１度、研修を開催し続け、さらに12項目の動画を視聴いただき、また、毎月管理者の方と事故防止に対する会議も行っています。

このように事故が少ない会社は、事故防止の取り組みを地道に続け、さらにある程度の費用を掛けられています。

時々、商談の中で費用の話をされることがあります。もちろん費用を削減することは企業活動の中で大切なことですが、事故防止の費用の削減は果たしてやるべきでしょうか？　「２０２４年問題」を控え、稼働時間が短くなり、売り上げが減少するリスクも出ている中で、余分な経費の削減は重要です。ただ、交通事故防止に関わる費用の削減は、事故増加につながる可能性があり、さらに経費がかかるのではないでしょうか？

事故防止の経費は、確かに一時的にはかかります。しかし、それを削減し、事故が起こるとさらに経費がかかるので、目先の削減ではなく、その先を考えて頂きたいと思います。また、事故防止の経費は、皆さんの大切な社員の命に関わる経費であることも常に考えて頂きたいと思います。