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運送会社
創立35年の赤帽兵庫 自分流で働ける魅力
2020年4月10日
「日帰りの範囲や長距離輸送、稼働日数など、個人のライフスタイルを踏まえて従事できるのは魅力の一つだと思う」と、今年6月で就任から丸6年となる赤帽兵庫県軽自動車運送協同組合(神戸市西区)の神宮覚理事長(57)。自身も平成元年から、赤帽の一員として軽貨物運送を手掛けてきた。
ピーク時には600人いたという組合員も高齢化などを背景に減少傾向にあるようで、同氏が理事長に就いた当時は半減の約300人。「このままだと5年先(現在)には240~250人ほどになってしまう可能性もある」と危機感を持ってメンバー増強に努め、着任から延べ71人を新しく迎え入れたことで300人規模をキープする格好になっている。
「サラリーマンが安泰という時代ではないし、この先の仕事や収入に悩む世代」という40代を中心に、30代や20代の入会者も目立つという。組合員の年齢構成を大ざっぱに分けると「60より上が200人、下が100人という感じ」とのことで、平均すると62歳くらいになるという。
組合員の3分の1ほどは独自に取引先を確保しており、メンバー同士がコミュニケーションを図りながら効率的に車両を回し合う。「先輩らが開拓してくれたこともあり、もともと荷物量の多い地域。組合でなければできないこと、例えば神戸市の信書便など官公需の業務以外は組合員が自らの手でやり繰りする形。組合は運賃価格の交渉に参加しないというのが基本スタンス」と説明する。
4人いる女性の組合員は、1人が生活に合わせて働くフリーのタイプで、あとの3人は決まった仕事に就く収入安定型らしい。年配者が多いというが大型、4トン車など営業ナンバー経験者の入会もある。「新人が入れば仕事を持ったメンバーに指導係を任せるが、そうすることで業務全体の流れが早くつかめるし、3か月もすれば組合内で名前も知られて仕事が回ってくるようになる」という。
独立開業…やっただけの手ごたえを感じられるのが魅力だが、この分野にも近年は一般貨物と同様に厳しい規制が敷かれる。「時間や健康管理などのコンプライアンスについて組合でも、年1回の全体研修会や2か月に1回の地区会などで啓もうしている」というが、そこから先はオーナーである各メンバーの意識高揚が必要となる。
今年8月で創立35周年を迎える赤帽兵庫は6月、神戸市内のホテルで記念式典を開く。「軽貨物はすき間の仕事。ただ、大手事業者がシステム化を進めるなかで、おのずとすき間は生まれてくる」。300組合員が保有する370台体制が現状だが、「仮に新しいメンバーが入らないのであれば、既存の組合員が雇用を増やすなどして事業規模を維持しながら輸送力の安定化を図りたい」と先を見据えている。
◎関連リンク→ 赤帽兵庫県軽自動車運送協同組合
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