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運送会社
ダブルエム 古賀総社長 外資系IT企業の管理職から運送会社社長へ
2020年6月12日
外資系IT企業の管理職から運送会社の社長へ。異色の経歴の持ち主はダブルエム(静岡県田方郡函南町)の古賀総社長。東京で外資系IT企業のセールスマネージャーを務めていた同社長が運送業界の門を叩くきっかけとなったのは、2011年の東日本大震災だった。
震災を機に売り上げが悪化し、1年ほど手を尽くしたものの回復には至らず、責任をとるかたちで退職した。職探しに奔走したが、希望に沿う条件の仕事が見つからず、故郷の神奈川県平塚市に戻り再起を決意。その際、手を差し伸べたのが高校時代の友人である丸島運輸の江藤博一社長だった。これまでとは180度異なる畑違いの仕事だったが、守るべき家族もいる。迷ってはいられなかった。
3トン車の仕事を中心に現場で経験を積み、関係する仕事はすべて覚えるように努めた。転機は運行管理者の資格を取得したこと。ダブルエムの前身にあたる同社の静岡営業所の所長を務めることとなり、本社のある神奈川と静岡を行き来する生活が始まった。
また、前職の経験を生かし、同社の人事の総括的な立場を務めることとなった。営業のマネージャーとして培った面接や人材採用のノウハウが役に立った。40代半ばからの入社。ハンデがあることはわかっていたが、自分ができることは何でもやって一歩でも会社の中心に近づけるよう目指した。「業界は違えども、それまで身につけたものを生かせることは多くある」と語る。
前職での経験は、静岡営業所長としても発揮された。本社に比べて旧態依然とした管理体制が残っていた同営業所の改革に着手。社員の再教育に加え、人材の入れ替えも進めた。「外資系にいた経験からドライな見方もできる」と、主役のドライバーを腐らせないように配慮しつつ、「なあなあの関係」にならない風土づくりに努めた。
リーダーシップを取れる人間を育てていくという江藤社長の方針のもと、独立を果たした。「拾ってくれた江藤社長への恩返しの気持ちで続けてきた」と振り返る。今後は地域に根ざした会社をつくっていくことが目標だ。「静岡に本社がある、静岡の会社として、地元である静岡県に貢献できる会社にしていきたい」と語る。
◎関連リンク→ ダブルエム株式会社
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