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運送会社
明治ゴム化成「輸送効率を高めて環境負荷低減へ」
2009年6月9日
1900年(明治33年)創立の明治ゴム化成(塚野宏社長、東京都新宿区)は、日本で最初の工業用ゴム製品メーカーとして社歴を重ねている。資本金は6億9231万円。三菱系列の企業で、現在は関連会社とともにゴム製品と合成樹脂製品の開発・製造・販売を手がける。
主力のゴム製品は、新聞・雑誌・造幣などの印刷用ゴムシートや印刷機材、大型ローラー機器類のゴムまたはウレタンロール、エレベーターやエスカレーターなど昇降機用ローラーや防振ゴム、鉄道車両や船舶用の防振ゴム、自動車用ホースや部品類、ビア樽用ゴム製品、OA機器やAV機器の部品類など。大きな物は港の接岸時の衝撃吸収用ゴム防舷材から、小さな物はファクスやプリンター機器の一部品まで、あらゆるゴム製品を用途に合った耐久製品に開発しながら製造・販売し、年商の6、7割を占める。
一方、合成樹脂製品は1965年、それまでの木箱から耐久性の高い「通い箱」として、関係企業であるキリンビール用にプラスチックコンテナの製造を開始。現在は年間で数万─十万箱を製造・出荷しており、同様に酒類用、牛乳パックなどの乳製品用コンテナ、繰り返し使える青果物類専用の一体成形折り畳み式コンテナ、多種の大きさの折り畳みコンテナも手掛ける。
また、環境問題への取り組みも兼ねた、再生樹脂を原料にした物流用パレットも年間40万枚製造、主に自動倉庫やリターナル用など高い耐久性が求められる物流現場向きに販売している。
国内の生産拠点は、明治ゴム化成の本社工場としては神奈川県足柄上郡の1か所だが、関連会社6社の工場(神奈川、茨城、広島、静岡、千葉)でも製造。「一言でゴム製品と言っても、用途によって熱や衝撃など色々な耐久性が要求される。ゴム素材に何をどれだけ混ぜたら良いかの配合技術には自信があり、様々な需要がある」と説明するのは、合成樹脂事業部第二営業チームマネージャーの鈴木敏樹氏。
同社の物流について、「OAやAV製品の部品類の製造には30年以上の歴史があるが、今はほとんど中国とインドネシアで作っている。国内製造拠点は数か所であることと、大量ロットではないので、出来上がった製品の輸送はなかなかシステム化できず、各工場の担当者が個別に手配している状態」と説明する。
また、合成樹脂製品でも「早い時期から環境に留意した再生プラパレットの製造などを手掛け、2月に竣工したエム・エム・プラスチックの富津工場では、当社のサンドイッチ技術による物流用再生プラパレットにも協力している」という。
しかし、「製造したパレットなどは通常10t車で運ぶが、1車両で300枚程度しか積めない。また、パレットやコンテナは需要時期に波があり、折り畳めないタイプは保管場所も嵩があるため、ある程度の量で数回に分けて発送することになる。環境負荷低減のためにも、今後の課題として輸送効率を上げる必要があるだろう」と分析する。(小澤裕記者)
鈴木氏 -
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