【神奈川】上神谷運送厚木（鈴木八四郎社長、厚木市）は毎年、社員が一堂に会しての安全講習会を開いている。1年間を無事故で通した社員への無事故表彰は30数年間、1度も欠かさずに実施。鈴木社長はその思いを「社員はわが社の宝ですから」と話す。

鈴木社長
　同社の無事故表彰での賞金は、1年間で3万円、2年間で5万円、3─4年間で7万円、5年以上は10万円。社員のほとんどが無事故表彰の対象者なので賞金の予算は増える一方だが、社員を大切する思いから、不景気でも毎年実施してきた。5日に開催した今年の安全講習会は、産業カウンセラーの堀美樹子氏を招いて「プロドライバーの任務」をテーマにした講演を聴講。こうした取り組みは、結果として無事故記録の更新につながる。
　2年前にＧマークを取得している同社だが、今年度は環境対応のグリーン経営認証も取得。アイドリングストップなど身近なところから改善を図り、ドライバー全員の燃費が向上した。補助ブレーキの使い方を工夫しただけでも、大きく燃費が変わったという。
　環境への取り組みとして、無事故表彰とは別に、燃費向上などコスト削減に努めている社員を表彰する努力賞も今年から設けた。安全と環境の両方で受賞する社員もおり、一人ひとりがプロとしての誇りを持って仕事に取り組んでいる。
　その結果は業績にも表れている。5年前に親会社から独立した同社だが、売り上げは順調に増えてきた。コンビニやドラッグストアなどの生活関連用品の輸送を中心に堅実な事業展開を心がけてきた結果だ。鈴木社長は「社員全体のプロ集団が形成されれば会社は万全。顧客満足、安全第一でおのずと利益と効率が図れ、明るく信頼関係のできた職場となる」と話す。（千葉由之記者）