天竜自動車運送（渡辺豪社長、静岡県浜松市）ではこのほど、遠隔点呼システムを導入した。

より良い点呼環境を構築したいとの考えで同システムの採用を決めたのは制度が開始された４月のこと。遠隔点呼は自社内と１００％子会社の拠点がその対象で、生体認証やカメラ、照明、専用機材の設置といった要件を満たすことで使用が認められる。

導入業務を担当した同社の杉山学氏は「始まったばかりということもあってかあまり関連の情報が開示されておらず、手探りの部分もあった」と一連の流れを振り返るが、「点呼業務の質も上がり、ドライバーらも慣れ始めたようだ」と軌道に乗りつつある現状に手応えを示す。

同社では現在、本社事務所の傍に専用のボックスを設け、各ドライバーがその室内において浜松営業所の点呼担当者と必要事項のやりとりを行う。導入費用はボックスや専用機材の設置などでそれなりにかかったが、「費用対効果で考えれば決して高くはない」とコスト面に対しても前向きな姿勢だ。

渡辺社長は今回の動きについて、「情報収集やコストなどの労力は求められるが、こうした仕組みを取り入れることで法令順守や事故防止といった効果が期待でき、業界全体の底上げにもつながる。導入する価値は充分にあるのではないか」とコメント。今後についてはシステムのさらなる運用で社内品質を高めるとともに、それらを通したスタッフらの意識向上にも期待を寄せている。

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