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運送会社
セイリョウ 小林隆文社長 従業員教育の「第2創業期」
2016年6月24日
【埼玉】「普通の会社がやっていることをできるようにしたかった」と話すのは、セイリョウ(戸田市)の小林隆文社長だ。
昭和46年に父親が軽トラック1台で創業した会社を成長を共に支えてきたが、父親が8年前に他界したため、27歳で社長に就任した。現在、同社では24台が稼働し、食品や精密機器、一般貨物のほか介護用品などの運搬・設置も手掛けている。
「軽貨物でメーンにしていたパソコンの輸送は、2000年問題が解消すると先細りになった」と、同社長は振り返る。その後は視野を広げ、様々な仕事に取り組んできた。なかでも、「介護用品、介護家具の運搬・設置」には、軽貨物で培った細かな配送ノウハウと接客スキルが生きている。
新規の仕事にも積極的に取り組む中で、「選ばれる会社になるためには、従来の従業員教育を改める必要性を感じた」という同社長。「今は自分のカラーにしていく、言わば『第二創業期』」と話す。
仕事の種類が増えていくと、「あの人と比べて、自分の仕事はきつい」「自分だけ休みが少ない」など、社員から不満の声が上がり始めた。これを解決するために同社長が導入したのは、ジョブローテーションだった。4年前から取り組みはじめ、今では普段の仕事以外にも皆がほかの業務をこなせるようになった。「理想は、全員が全員の代わりを務められるようになること」とし、「半年から1年のサイクルで配置換えをし、ほかの仕事を覚えてもらっている」という。
運送業ではコスト高となるため導入が難しいジョブローテーションだが、「会社として当たり前のことができるようにしたかった」と、導入に踏み切った。「食品関係は365日稼働で、一部の社員だけが土日に休めない状況だった。皆が仕事をできれば、土日休みも順繰りに取得できる。『ドライバーは休めない』を当たり前にはしたくなかった」と話す。
さらに、「あいさつ」「約束」「協力」を社員教育の軸とし、品質向上にも取り組んできた。2年前からは新卒採用にも着手し、「毎年2人」を目標とし、初年度は2人の大学新卒者が入社した。同社長は、「説明会など顔を合わせて直接PRすると魅力を感じてくれる学生が多い。毎年コンスタントに新卒採用を行い、現場を経験させ幹部を育てていきたい」とする。
教育だけでなく、ワークライフバランスも重視するなど、「とにかく、人にコストをかけたい」と話す同社長。「第二創業期」に生み出すのは、新しい時代の中小物流企業の姿といえる。
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