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運送会社
「アルコ・インターロックPRO」飲酒運転防止に普及進む
2007年11月16日
「飲酒をしていたらエンジンがかからない」―。
飲酒運転を抑止する装置「アルコール・インターロック」への関心が高まっている。同装置は、アメリカでは70年代から、イギリスやオーストラリアでも90年代から普及が進んできた。スウェーデンでは、2012年には全車両への搭載が義務づけられる方針。
日本では、今年1月に国交省が「アルコール・インターロック検討委員会」を発足させるなど、飲酒運転撲滅装置として、期待が寄せられている。
自動車メーカー各社でも研究開発が進められているが、現在、同装置を日本で唯一販売しているのがサンライズシステムサービスだ。同社の「アルコ・インターロックPRO」は、今年の3月から発売を開始し、すでに300台の導入実績を誇る。
同製品は、運転席に取り付けたハンドセットに息を吹きかけ、1L当たり0.05mg以上のアルコールが検出されるとエンジンがかからない。また運行中も、あらかじめ設定した一定の時間ごとに、エンジンを切り、定期的にアルコールのチェックする「呼気再テスト」の機能を設けている。
同社東京所長の嶋田秀之氏は(下写真)、「アルコールチェッカーは始業前の点呼時だけで、出発後は管理できない」とした上で、同製品であれば、「配送中はもちろん、遠隔地での休憩時、一時帰宅した際などの管理もしっかりできる」と説明する。なお、運行終了後は、ハンドセットからエンジンON・OFFの日時や、アルコール量などの測定結果を取り込むことができる。
「エンジンがかからなくなる」という、安全に対する最も効果的な機能に加え、同製品の持つ「抑止力」も見逃せない。同所長は、導入企業からの声として、「ドライバーさんも、翌日のことを考えてあまり飲まなくなると聞いている」と話す。
同社は、先日の東京トラックショーに出展し、ブースで同製品をアピールした。「お客さまの反応は良く、非常に大きな手応えを感じている」と同所長。しかし、「『高い』と言われるケースも少なくない」。実売価格は約15万〜20万円(取り付け工賃やオプションにより異なる)だが、同所長は「3年リースであれば、1台当たり1日80円の計算になる」とし、「飲酒運転で事故を起こして3日間事業停止になった場合と、どっちが高くつくかを考えていただければ」と説明する。
なお、販売価格の大半を占めているのがアルコールセンサーに使われている「燃料電池センサー」。アメリカ、EUの厳しい規格に沿って作られているもので、1L当たり0.001mgの分解能力を保有。「他のアルコール検知器で主に使われている半導体センサーに比べて、非常に高い精度を持つのが特徴」だという。
埼ト協をはじめ、補助金の対象とする団体も出てきている。国交省では「アルコール・インターロック」の規格を12月にまとめる予定で、今後はさらに普及の機運が高まると予想される。なお、同社ではすでに、利用者からの要望を反映した「アルコ・インターロックPRO2」「─3」の開発にも着手しており、普及に先駆け、製品のさらなる改良に努めている。
同所長は、「もっと多くの企業に広く知っていただきたい」とし、「確かに、利益には直結するようなものではないが、厳しい環境を生き残るために役立つ製品」とアピールする。
詳細は同社HP、http://www.sunrise-ss.jp/ -
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