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    「CASBEE」が物流施設にも普及の兆し

    2008年4月25日

     
     
     

     環境性能で建物を格付けする「CASBEE(建築物総合環境性能評価システム)」が普及の兆しを見せている。
     これは、建物の環境性能を「総合的に」「客観的に」評価するツールで、財団法人建築環境・省エネルギー機構が基準を定め、運用を実施。物流業界でもすでに住友倉庫が評価認証を受けており、今後の広がりが期待される。


     「CASBEE」は01年から開発が始められた。現在は、基本ツールが「CASBEE─企画」「同新築」「同既存」「同改修」に分かれており、建物のライフサイクルごとに異なる基準が設けられている。ほかに、「同HI(ヒートアイランド)」や戸建て住宅向けの「同すまい」など、評価目的に合わせた内容のツール開発が進んでいる。
     なお、名古屋や大阪、川崎各市のように「自治体版CASBEE」として独自の基準を設け、ある一定以上の建物は、評価結果の届け出を義務づける自治体もある。
     具体的には、「建築物の環境品質・性能(Q)」と、「建築物の環境負荷(L)」の2つの側面から評価を行い、「Sランク(素晴らしい)」から「Cランク(劣る)」の5段階の格付けが与えられる。
     「新築」を例に挙げると、前者の「Q」は「室内環境」「サービス性能」「室外環境」に、「L」は「エネルギー」「資源・マテリアル」「敷地外環境」に細かく分かれており、「省エネや断熱性能など、総計90の評価項目を点数化していく」(同機構建築研究部・吉澤伸記課長補佐=写真)という。
     施主や建築会社が自己評価に使うツールとして開発された「CASBEE」だが、「第三者からの評価が欲しい」というニーズに応えて審査制度も設けられた。24件の評価認証実績があり、物流施設は前述の通り、住友倉庫・浦安営業所が認証を受けている(Aランク)。
     環境CSRを重視し、建物にサステナビリティ(持続可能性)を求める動きが強まるなか、「審査の引き合いは増加傾向にある」(同課長補佐)という。1施設の審査に4─5か月かかるため、審査員の不足が問題となっていたが、3月に認証(審査)機関として4機関を認定。今後のニーズの伸びに備える。
     環境性能評価システムは日本より欧米が先行しており、90年代から開始しているイギリスの「BREEAM」や、アメリカの「LEED」が著名。特に「LEED」は、「評価結果が、不動産価値の鑑定材料にも使われる動きも出てきている」という。
     それに比べると「『CASBEE』はまだこれから」と同課長補佐。「『CASBEE』は義務ではない。(認証を取得することで、顧客からの評価が上がるなどの)インセンティブとして使っていただければ」と話す。
    casbee2.jpg
     詳細はURL、http://www.ibec.or.jp/CASBEE/

     
     
     
     
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