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    首都高・距離別料金 「上限1000円は困難」

    2008年5月29日

     
     
     

     首都高が今秋メドに導入予定の「距離別料金」制の料金設定作業が難航している。
     昨年9月に発表された同料金案は利用者の批判や反対の声が相次いだため、首都高は「上限料金を引き下げる」方向で改正案を検討。しかし、道路特定財源を一般財源化する基本方針が閣議決定されたことから約束されていた「2兆5000億円の債務切り離し」が白紙に戻りそうな状況で、「料金引き下げを担保するものがなくなる」(首都高)ため、当初「普通車で初乗り500円、上限1000円」で試算してきた再設定も「上限1000円は苦しい」と、限りなく当初予定の「1200円」に近付きそうな気配になってきた。


     昨年9月、首都高は「700円均一」の料金から「初乗り400円、上限1200円」の距離別料金制への移行を発表したが、ユーザー側は猛反発。全ト協(中西英一郎会長)も「最大7割の値上げで大型車は倍額になる。利用者の負担が増加しない措置を講じてほしい」と要望した。
     首都高は料金設定の再検討に着手。昨年12月、政府・与党は道路特定財源の見直しの中で「08年度以降10年間、道路特定財源から2兆5000億円の範囲で高速道路会社の債務を国で肩代わりする」と決めた。いわゆる「債務切り離し」で、10年間は毎年、道路特定財源から投入される債務分をあてに、首都高は「上限1000円以下」の料金再設定に取り組んだ。
     しかし、暫定税率失効など予想外の事態が重なった末、「10年間で59兆円」と修正された道路整備中期計画も「期間を5年に短縮した新計画を策定する」と改められ、特定財源制度は「今年の税制改革時に廃止し、09年度から一般財源化する」と閣議決定。
     一方、福田内閣の矛盾とされる「道路特定財源を今年度から10年間維持する」とした道路整備財源特例法改正案は13日の衆院本会議で成立したが、閣議決定で特例法改正案に盛られた特定財源制度の規約は09年度から適用されないこととなった。
     債務切り離しは道路公団の民営化時に政府・与党の合意に明記されたが、具体的な金額が示されたのは昨年12月。国交省道路局の有料道路課担当官は「2兆5000億円の債務切り離しがダメになったということはない」とするが、14日に同省が発表した08年度「道路関係予算配分概要」では債務切り離しに触れてない。
     首都高は「割引を担保するものがなくなった以上、料金設定はシビアにならざるを得ない」と強調。さらに福田首相の「一般財源化加速」発言以来、自民党内に「高速道路会社の借金返済に使うなら福祉や医療に回せ」との声が高まっているという。
     14日、首都高は距離別料金制導入のために開発した簡易レンタル機器「首都高X」(仮称)のレンタル拠点として、大手コンビニ二社(ファミリーマート、エーエム・ピーエム・ジャパン)と提携すると発表。首都高XはETC未装着車用の距離別料金対応機器だが、「こうした準備も国の肩代わりを見込んで計画してきた。状況が変わりつつある今、上限1000円は遠のいた」と関係者は話す。
     改正案ではパブリックコメント募集をせず、首都高は「自治体の承認と国の認可を受けたら即実施。公表は同時になる」と説明している。
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