横浜ゴムは９月から、トラック・バス用タイヤ「ＺＥＮ」シリーズの新商品として、スタッドレスタイヤ「ＺＥＮ９０３ＺＷ」を一斉発売。７サイズでの展開で、リトレッドタイヤパターンは来年以降での発売を準備している。

　氷雪上性能を最も重視した。ＴＢ製品企画部の亀山剛氏は、「東北地方から北海道地域を走られるお客様向けに開発した」と説明。一方で、転がり抵抗を従来製品比で１０％低減することで低燃費を実現した。
　「温度が０度付近になると、水の浮き（膜）が出来る。これをいかに除去するかが開発する上でのポイント」と同氏。この水の膜を除去するために採用されたのが、「吸水ハニカムシリカ」だ。路面上の水を効率よく吸い取り、氷の引っかき効果も高める。
　また、「マイクロ吸水バルーンII」は、路面を走ると吸水バルーンが割れ、氷上の水を吸収。割れたふちの先端がギザギザ状になっており、引っかき性能の向上に寄与している。これらの技術で、従来製品比で氷雪上性能は５％アップした。
　「車重の重いトラックユーザーは、偏摩耗に困っている方が多い」と開発の背景を説明し、「耐摩耗性を高めるために補強構造にし、さらにしなやかなゴムを入れることで、耐偏摩耗性能（従来製品比１４％向上）と氷雪上性能を両立し、基本性能をバランス良く向上させた」と自信を見せる。
　「ＺＥＮ」シリーズのスタッドレスとしては２商品目。０８年発売の「９０２ＺＥ」は、「ドライ路面の高速道路をメーンで走る事業者向けに開発したもの」で、順調に販売数を伸ばしているという。「９０３ＺＷ」は「とにかく『氷雪路を安心して走りたい』というお客様向け」という位置づけ。
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