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    LLCマーケティング知材研究所 ブランディングの必要性解説

    2015年10月15日

     
     
     

     LLCマーケティング知材研究所はこのほど、大阪市内でセミナーを開催し、垣木晴彦氏(弁理士、写真中央)の講演「企業向けビジネスでもエンドユーザーを意識したブランディングをしよう!」で、企業の価値を明確にする「ブランディング」の必要性を解説した。約6万2000社の運送事業者の中で生き残りを図るためには、「差別化」が何よりもカギとなる。そのためには、自社の「目には見えない」強みの把握が必要となる、とした。
     LLCマーケティング知材研究所は2011年10月に設立。中小企業の知的資産経営報告書の作成をサポートし、決算書に現れない自社の強み、他社との違いなどを把握できるよう分析する。分析結果を活用し、強みを向上させる取り組みが特徴で事業戦略策定支援、事業継承に関するコンサルティングなども手がける。


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     垣木氏はセミナーの中で、「ブランディング」のメリットとして、(1)経営者の思いを客観的に明示できる(2)取引先にどんな思いのある会社かを明確にできる(3)社員に会社がどのような方向に進むかを明確に示すことができる(4)顧客に競合他社と比較して優先的に選んでもらえる、の四つを挙げる。ブランド構築は対外的なものではなく、社内に知らしめるためのものであることを説明した。サービス業である運送業で、倉庫や特殊車両の保有に加え、「優秀なドライバー」「驚異的な事故率の低さ」「無駄のない配送ルート」などといった、「形のない財産の構築」も必要だ、と説明した。
     現在求められている物流の役割の一つは、メーカーや商社のビジネスの発展を支えること。経団連が実施した2014年度の日本企業の国際競争力調査では、「物流は自社の弱み」と考えている企業が10%にのぼったことが報告されている。日本企業は物流に不安を抱えているという結果だ。運送事業者が創意工夫すれば、悩みを抱える企業の一助となれるのではないだろうか。
     また垣木氏は「市場調査が必要とされているが、時代の流れを読みすぎることは推奨できない。かつて、市場調査の結果から清涼飲料水の味の変更に踏み切った大手飲料メーカーがあったが、変更後の飲料は不評だった。潮流に流されすぎないことの重要性を示している」と説明。
     ブランディングにおいては「誰に、どのように伝えるか」がカギだ。目に見えないものだからこそ、工夫できる余地も大きい。良し悪しにかかわらず、ブランド力は比較的長期間、価値が持続する。顧客が自社に対し良いイメージを持つことで、選択してもらえる企業になるという仕組みだ。
     垣木氏は最後に、「売り上げが下がると業績のことだけを考えるようになってしまうが、従来のやり方のままでは価格競争になりかねない。自社の目に見えない価値を発見し、時代に合わせた新しいビジネスモデルを構築することが必要」と締めくくった。
     運送事業者は形のある製品を提供しているのではないため、顧客は「評判」や「人材の質」などで事業者を判断し、それらは時に企業に大きな影響を与える。ブランディングは運送事業者にこそ必要なのかもしれない。
     同セミナーではそのほか、日経ビジネスオンライン、日経テクノロジーオンラインのコラムニストも務める生島大嗣氏(アイキッドソリューションズ代表、同右)が「企業向けビジネスを仕組み化して新しい市場を拓く方法」、同研究所の川上広幸氏(同左)が「人が動く組織の創り方」と題し、それぞれ講演した。
    ◎関連リンク→ LLCマーケティング知材研究所

     
     
     
     
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