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製品・IT
「ARION(アリオン)」をフルモデルチェンジ
2007年3月16日
小松リフト(東京都港区)はバッテリー式フォークリフト「ARION(アリオン)」をフルモデルチェンジし、市場でのポジション確立に向けて積極攻勢へと転じている。
当初「もっと早い段階で発表する予定だったが、製品の性能をギリギリまで追求した結果、このタイミングになった」というほど、同社のこだわりが詰まっている。
同製品について、マーケティング部の石松潔販売促進グループマネージャー(写真左)と、総務部広報担当の木村善行主幹(同右)に話を聞いた。
同製品のフルモデルチェンジは四輪タイプで8年ぶり、三輪タイプでは11年ぶりとなる。
石松マネージャーは「排ガス規制をはじめ、環境問題が社会全体で取り組むべき課題となっている」と市場を取り巻く環境を説明。燃料費が高騰し、各社の経営が圧迫されている状況から、「フォークリフト市場全体が、エンジン式からバッテリー式にシフトしている」と話す。
「この状況下で『エンジン式に強いコマツ』のイメージを脱却し、お客さまに強く訴求できるバッテリー式フォークリフトをリリースする必要があった」と、今回のフルモデルチェンジの背景を語る。
ハード面では「走る・止まる・曲がる」の3つの基本的な動きを改良。石松マネージャーによると、「走行モーターを左右それぞれの前輪に配置する『デュアルドライブ』で、高い走破性を実現した」という。たとえば、「ぬかるみや雪道に片輪がはまっても、もう一方が駆動することで抜け出せる」。
ブレーキには、密閉湿式のディスクブレーキを採用し、「ブレーキ内部に水や塵が入るのを防ぐため、メンテナンスの手間を省くことができる」と説明。テストでは1万時間以上の耐久性が証明されており、「メンテナンスにかかる経費も削減できる」とを訴える。
「特に、漬物や水産品などを扱う場所は床が濡れていることも多く、従来式のブレーキはさびなどのトラブルにつながりやすかった」というが、同モデルはその問題も解決する。
さらに、リアアスクル(後車軸)と車体の連結部を従来より高い位置に変更することで、「車体の揺れ幅をこれまでの約半分にし、旋回時やフォーク高揚時のふらつきを抑えた」。この改良は「電気的に制御することもできただろうが、あくまで『機構』の変更で性能を向上させたかった」と、こだわりを見せる。
なお、三輪と四輪を共通のプラットフォームで生産。「部品の数も半分で済み、利用シーンだけでなく、生産の段階から『省資源』を実現している」など、「環境」に対する開発コンセプトを持つ製品であることをアピールする。
同社は約3年前、主力製品のエンジン式フォークリフト「LEO-NEXT(レオネクスト)」を全面リニューアルしており、今回の「アリオン」は、「開発戦略の第2弾」に位置づけられている。
木村主幹は「発表から約1か月、すでに大きな反響をいただいている。フォークリフトだけでなく、数ある製品群を組み合わせることで荷役作業全体をサポートできる」と話す。
また、石松マネージャーは「フォークリフトは成熟商品だが、先入観を取り除けば、まだ改良の余地はある」と、性能のさらなる向上にも意欲を見せる。
同社URLは、http://www.lift.co.jp/
(07/03/12) -
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