古河ユニックはこのほど、新製品「V─ECO（ブイ・エコ）」シリーズを発売。
　同製品は、低燃費・低騒音のラジコンクレーン「U─can ECO（ユーキャン・エコ）」シリーズのマニュアルレバー操作タイプ。ラジコンタイプの「ユーキャン―」はすでに高評価を獲得しているが、「より安価に購入したい」という事業者の声に応え、「ブイ―」が開発された。

　同製品は「ユーキャン―」同様、2つの油圧ポンプを搭載。低速作業時には1つのポンプから油を吐出し、高速作業時には二つ目のポンプからの油を合流させる。高速作業時には従来製品と同じパワーを維持しつつ、エンジンの回転数を約半分にすることが可能。エンジン回転数の低減により、作業時の騒音を抑えられるのも魅力。
　低価格を意識した「ブイ―」は、ポンプの制御方式に「機械式」を採用。「『電子式』の『ユーキャン―』に比べて見劣りしない作業レベルとなるよう、開発段階で工夫を重ねた」（同社営業部販売促進課の齋藤文博副課長＝下写真）。その結果、「従来のマニュアル製品との比較では、クレーン作業時の燃料消費量を約40％削減することができる」など、「ユーキャン―」と変わらぬ性能を実現している。
　「環境」をコンセプトに据える製品を、このところ相次いで発表してきた同社。今回は、低価格のマニュアル機「ブイ―」をラインナップに加えることで、「（事業者にとっての）選択肢を広げた」という。
　齋藤氏は、同社の姿勢について、「トラックメーカーは厳しい環境規制に対応している。クレーンメーカーも、できる限りの貢献をしていきたい」と説明。環境対応の製品は「高付加価値製品」として割高にはなるものの、燃費低減率の良さを考えれば早い段階での回収が十分に可能。同氏は、「原油価格が高騰する中、経営のお役にも立てるはず」と話す。
　価格は、6段ブーム354万円、5段ブーム295万円、4段ブーム274万円、3段ブーム252万円（中型トラック架装用クレーンV370シリーズの場合）。ラジコン機の「ユーキャン―」に比べ、「それぞれ60万円程度お安く仕上がっている」という。
　同氏は、「より多くの事業者に、環境を意識した『エコ』シリーズの製品への親しみを持っていただきたい」と期待を込める。年間販売目標は1300台。

　詳細は同社ＨＰ、http://www.furukawaunic.co.jp/