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製品・IT
300万円切る2t車 日産自動車「アトラスF24」
2008年2月4日
軽油価格の高騰、深刻なドライバー不足、相次ぐ環境規制への対応。運送業界を取り巻く経営環境は年々厳しさを増し、運送事業者の多くが、生き残りをかけたコスト削減に取り組んでいる。
日産自動車「アトラスF24」の広告には、『経営の足をトラックが引っ張ってどうする』のキャッチコピーが踊る。昨年、実に15年ぶりのフルモデルチェンジを行った同モデルで、同社は商用車市場でのさらなるシェア拡大を図っている。
経営者、ドライバーの双方に配慮した車両設計は、「稼ぐ」道具であるトラックが、経営の強力なパートナーとなるよう様々な工夫が凝らされている。
「アトラスF24 ライトゴールド」
「アトラスF24」の商品コンセプトは『アクティブなビジネスのためのスマート・トラック』。従来の小型クラス車に、2t車がラインナップとして加わった。
「市街地の狭い道でも、ストレスなく運転できるように」との配慮から、最小回転半径は4.4mと日産マーチ並み。開発を担当した商品戦略・企画グループの藤井一夫チーフ・プロダクト・スペシャリストは、「小回りが効き、駐車やUターンも楽にできる」と自信を見せる。
機動性と同時に、キャビン内には空間的なゆとりを存分に持たせ、快適な居住性を実現。従来モデルと比べ、前方スペース約100mm、室内高は約30mmも拡大した。また、バインダーや携帯電話、ペットボトルなどを収納するモノ入れを標準装備。
洗練されたデザインとゆとりある空間を実現
これら内装における細かいこだわりは、乗用車メーカーならではの発想とも言える。同グループの久満慎介主担は、「『どこに何があるか』がすぐ分かって、使い勝手の良いキャビンは、運転上のストレスを軽減する」とし、運転のしやすさも含めて、「安全性の向上に寄与できるはず」と話す。
価格は、藤井氏が「開発段階から『300万円を切る』ことを念頭に置いた」と語る通り、299万5000円(税別)。他メーカーの製品に比べて低価格に抑えられた要因を、「欧米などでも広く展開するグローバル戦略商品であるため実現できた。量産ができ、共通部品も多いため、コストを抑えることが可能になる」と同氏は説明する。
開発を進めた藤井一夫氏
AT限定免許で運転できる6AMT(6速機械式オートマチックトランスミッション)車もラインナップに加わった。藤井氏は「『オートマ』と言うと燃費の面で不安に思われがちだが、運転経験などによらず、誰でも安定した運転を行えるため、MT車と遜色のない燃費を実現できる」と胸を張る。なお、モデルチェンジ以降の販売実績のうち、2t車では6AMT車の占める割合が46%と実に半数に迫る勢いだという。
久満氏は「車両総重量が5t未満のため、新普通免許でもアトラスF24は運転可能」とし、「中型免許が新設され、ドライバーの確保に頭を悩ませる経営者様には、対策の一つとしてお考えいただけるはず」と話す。
商品戦略・企画グループの久満慎介氏
車体のデザインは、乗用車「セレナ」と同じデザイナーが担当。2007年度のグッドデザイン賞や、2006年に投入された欧州仕様の「キャブスター」は、イギリスの小型商用車専門紙の「ベスト・ライトトラック・オブ・ザ・イヤー」を受賞している。「『ドライバー本位』を心がけ、機能性とデザイン性の両立を追求した結果」と久満氏。
一方、サポート体制の充実も図っている。同社の数ある車種の中でも、「アトラスF24」だけに設けられた「アトラスプレミアム保証」は、メーカー一般保証の3年間に加えて、条件を満たせば、同等の保証内容が2年間延長できるというもの。マーケティング戦略グループの西田岳アシスタントマネージャーは、同保証について、「品質に自信があるという、お客さまへの強力なメッセージ」と説明する。
また、全国の日産ディーラーのうち、202店舗で「商用車プロショップ」を展開。商用車の教育を受けた営業スタッフがきめ細やかなサポートを行っている。「万が一出先で故障した場合も、お近くの日産ディーラーにお越しいただければ対応ができる」(同氏)。土・日営業しているのも心強い。
マーケティング戦略グループの西田岳氏
従来モデルは、建設業などの自家用車として使われることが多かったという「アトラス」。しかし、西田氏は「今回のモデルは、運送事業者様にこそお使いいただきたい」とし、「(運送事業者の)事業発展に必ず寄与できる自信がある」と今後のシェア拡大への意気込みを見せる。
担当者は、「一度試乗すれば、その良さをご理解いただけるはず」と口を揃える。「アトラスF24」の試乗の詳細については、全国の日産ディーラーで受け付けている。
日産の商用車については、http://biz.nissan.co.jp/ -
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