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物流ニュース
富士運輸 高度運転支援機能付きスーパーグレートを国内初導入
2020年4月2日
富士運輸(松岡弘晃社長、奈良市)は、三菱ふそうが開発を手掛けた高度運転支援機能付きスーパーグレートを、国内で初めて導入した。3月2日に、同社本社で納車式が開催された。
同社が国内第1号として今回導入したスーパーグレートは、SAEが定義する自動運転レベル0から5段階のうち、「レベル2」相当のトラックとなる。同トラックの主な機能は、「アクティブ・ドライブ・アシスト(ADA)」「アクティブ・ブレーキ・アシスト5(ABA5)」「インテリジェント・ヘッドランプ・コントロール(IHC)」「交通標識認識機能」の4つで、「ADA」は高速道路など自動車専用道路上でアクセルやブレーキ、ハンドル操作を車載システムが担当し、先行車と一定の間隔を保ちながら自動追従走行が可能となる。追従はトラックやバスなどの大型車だけではなく、車高の低い乗用車に対しても可能だという。
また「ABA5」は、これまでのレーダーに加え、フロントガラスに搭載したカメラとの組み合わせによって、被害軽減ブレーキの機能を強化したもの。カメラで歩行者と車両を認識し、レーザーでその距離をフュージョン技術を駆使することで、障害物検知の精度を大幅に向上させ、危険回避能力を高めている。
さらに、「IHC」では、カメラが前方の状況を判別してハイビームとロービームを自動的に切り替える。交通標識認識機能は、大型トラックでは日本初の搭載機能となり、カメラで認識した交通標識をメーター内のディスプレイにポップアップ表示される。制限速度や追い越し禁止、進入禁止や大型車通行禁止、一時停止が表示対象で、認識してから700m走行するまで表示され、このうち進入禁止の道路への進入を認識すると、アイコンがポップアップされると同時に警報が鳴る。
納車式後、実際に同社のドライバーが運転する同車に記者も同乗させてもらい、市内の道路を走行し、オートブレーキ機能やハンドルのアシスト機能を体感。車線を逸脱しそうになると、逸脱を阻止しようとハンドルが自動で動き出す光景を前に、自動車技術の開発の進捗を目の当たりにした。
松岡社長によると、同社は今回の第1号を皮切りに順次導入して、年内に100台の導入を進めていくとしている。
富士運輸の「強み」
今回、三菱ふそうが開発した自動運転レベル2相当の高度運転支援機能付きスーパーグレートの第1号を納車した富士運輸。松岡社長は今後、年内に同車を100台導入するという。
同社長によると、新人にもどんどん乗車させている。新車の中でも、最新機能はもちろん、グレードにおいても一段高いトラックを導入。新人に新車を乗車させることに、「新車しか空きがないので」と同社長は控えめにいうが、実際に、新人でも最新の新車に乗れるということは、同社の魅力につながっていることはいうまでもない。ドライバー不足が深刻化し、人手が確保できずに減車を余儀なくされる事業者が相次いでいる中、拠点拡大、増車を続ける同社には、こうした差別化をはじめ、さまざまな創意工夫がうかがい知れる。
◎関連リンク→ 富士運輸株式会社
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