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    止まらぬ荷動き悪化 苦境に立つ物流業界

    2020年5月21日

     
     
     

     荷動きの悪化が止まらない。WebKITの発表した今年4月の求車登録件数は5万4415件で、前年同月比66.3%減(10万7140件減)となっている。コロナウイルスの収束見通しも立たない中、物流業界も今後、苦境に立たされることが予測される。

     物流と流通企業の後方支援を行っているロジボン(東京都千代田区)の橋野萌生氏は関東地方の物量について「多くの業界で荷動き悪化の様子が見られる。直近では大手物流企業でも自社車両に余りが出始めている」と指摘。同氏も精力的に物流企業と荷主をマッチングさせるべく奮闘中だという。

     同氏は全体の荷動き悪化を指摘しつつ、同時に「荷動きの悪化が少ないとされる食品業界でも将来的に荷動きが悪化する可能性がある」と分析。商品については「ウイルスの影響で国際物流も鈍化している。国内物流でも加工食品など輸入食材を材料とする商品は今後、飲食店などの消費量変化だけでなく、国際物流の影響を加味した物量減少の可能性を抱えているのでは」とし、「関東など一部地方をはじめ、特に荷物量が減少しているように見える。他の地方と連携を取り荷物を獲得していけるかがカギとなるのでは」と話している。

     求荷求車サイト「ロジテルネット」を運営しているロジテル(宮下勝社長、栃木県宇都宮市)では、鋼材・建材・什器などの現場仕事に関連した貨物の減少および平・ユニック車での仕事減が確認されている。特に東北︱関東便に関わる現場がストップした関係で配送のキャンセルもあり、ウイング・平車共に「関東まで車を出したいが荷物が見つからない」という声も確認されているという。

     また、荷主によっては港の貨物の減少も報告されている。中国からの輸入貨物ストップなどの影響で中京・関西圏からの出荷が大幅に減少したとの声もあがっており、自動車部品の配送量減少も見られ、中京圏からの便数減少との関連を分析しているケースもあるそうだ。

     一方で食品・雑貨類などは比較的減少は見られず、紙関係などは例年以上の出荷が見られるケースがあるものの、輸入貨物・自動車関係配送を専属で行っていた企業が仕事を求めて参入を始めているという。担当者は「流入してきた企業の中には格安で運行している企業もある」としている。

     常務取締役の落合健一氏は、自粛要請明けの荷量回復を見込みつつ「収束後には出荷量も通常時に戻る見込み」といった声も確認している。同氏は「荷量の変化について、具体的な話が出ていないケースも多い。自粛が明けてから、出ていなかった案件も含め回復の見込みがあるが倒産の増加の影響を受ける可能性もある」としている。

     フレキシタンクによる液体貨物輸送を取り扱っている日本物流(東京都文京区)の羽飼猛社長は、「現在は、通常時の2〜3割程度貨物量が減少している」と分析する。

     一方で、「当社の扱う仕事は変化の少ない部分もあり、コロナの影響を強く受けているばかりではない」としている。同氏は荷物量の変化のタイミングを「緊急事態宣言の収束後」と予測。「収束後、多少の揺り戻しはあるかもしれないが、基本的には緩やかにコロナ以前のペースへと戻っていくのでは」としている。

     様々なメンテナンスサービスが付随している、おせっかい宅配クリーニング「リナビス」を展開している東田ドライ(兵庫県西脇市)の東田伸哉代表は「クリーニングにおける店舗型の売り上げは全国的に減少傾向にあったが、春の時点では宅配クリーニングに大きな影響は見られなかった。当社も3月までであれば計画値を達成できている。店舗を持つ、ということをクリーニング業界内の皆様が考える時期となったのでは」と分析。併せて「今後、宅配クリーニングサービスを始める企業も増加するのでは」と予測している。

     一方で、「今後はテレワークを実施する企業も増加の可能性が大きく、クリーニング需用の低下と共に、不況を意識した消費意欲の低下が予想される」ともしている。

     同社では現在、物流面を流動化させつつ、自社物流の合理化を図っている。豊富な自社サービスと合わせ広域ネットワーク・資金力を背景に他社と差別化をしていくとのこと。

     同氏は「コロナウイルスの経済影響により、自社で倉庫などを保有するリスクを目の当たりにした企業は少なくないのではないか。業界を問わずフレキシブルな対応が可能となるよう、物流流動化を検討していく企業が見られるのでは」と話している。

     顧客の営業自粛の影響も大きい。食品の冷凍・冷蔵配送を行うストレート(牛沢昭宣社長、東京都文京区)は日頃、デパートへの配送を請け負っているが、緊急事態宣言に伴いデパートも営業を自粛。多くの案件が消失した。牛島社長は「例年、春は繁忙期だが、現在は大半が中止になっている」と話すが、依頼が増加している食品配送もあるという。

     同社は「CSRしろくま便」として、フードバンクに関わる支援企業の配送を割引付きで行う。牛沢社長は「コロナの影響で困っている人が多いのか、CSRしろくま便の依頼が増加している。これまで自社活動として無償で行ってきた活動も含めたCSRを評価いただいたのであればうれしい。全体で見れば仕事の総量は少ないが、ドライバーに、自身の社会的役割と価値を確認してもらえる機会」と話す。

     現在、同社は配送のオファーを探している。「休業補償も先が見えない。ドライバーの生活を守るためにも、会社として仕事を探していかなければならない」

     
     
     
     

    この記事へのコメント

     
    1. 新人配車マン太郎 says:

      荷が薄い!運賃安い!だれか良い求荷求車サイト教えて!

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      • へっぽこ says:

        人に任せるから荷が薄いし、運賃も安いんですよ。
        水屋の真似事ばかりで、自社に生産性がない。
        そんな会社が多いと感じます。
        必要だと感じたら、作ってみることから考えてみては?

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      • 陣屋太郎 says:

        SBSならありそうだけど

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    2. 匿名 says:

      昔ながらの足の営業

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    3. 匿名 says:

      毎日が苦痛ですよね。
      早く通常通りに戻ってもらいたい

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    4. 運転手A says:

      零細を淘汰するチャンスなんだが

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    5. 匿名 says:

      自動車部品とか重量の嵩張る荷物を運んでた大手の大型が、自動車工場の自粛で、それまでは4トンジャンボ車が主流だった軽くて容積の嵩張る荷物に介入して来ている。運賃は安くなるが大手の強みで横取り。
      シワ寄せが酷いわ。連休明けからずっと動けなくなった定期の子がかわいそう。2トン以下の荷物は大型車は運べない様に規制してもらいたいぐらい。

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    6. 匿名 says:

      又、大手がそういうアホな事 やらかすやろう😡 日本の9割が中小企業でもってるのに… せっかくコロナで、運送業が有り難み出てきたところに、よくそんな発想できるもんやわ政府と一緒やんか💢

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    7. 匿名 says:

      物流で働くなら生活保護貰うのがマシ

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    8. 匿名 says:

      零細切るには絶好の機会
      景気上昇には欠かせないですよ

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    9. 匿名 says:

      物流は日本の大動脈!物流が稼働しなければ日本は沈没!物流関係に敬をしめさないと!アカン。

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    10. 匿名 says:

      都内のルート配送してますが、医療機関や養護施設メインなので以前と変わらない。4月位から、10人程面接に来てますが…未経験じゃ務まらないかな??

    11. 前に進む君。 says:

      取材の的が、水屋さん。
      四苦八苦している 運送会社の向上させる為の
      課題とかを記事として発信してもらいたい。

    12. 匿名 says:

      車両もないのに採用しといて
      仕事ないからツーマンで!って言う
      アホな配車係がいるけど

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