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物流ニュース
「人材育成しっかり進める」ホームロジスティクス 柳川新社長インタビュー(後編)
2020年8月20日
─社長に就任されて、最も力を入れて取り組まなければならないと考えていることは何ですか。
それは、グループ全体の物流コスト削減です。弊社に限ったことではありませんが、人件費が上がってきていますし、労働単価も上がってきているので、いかに効率化を進めて、コストを削減することができるか、それを実現することが、私の役目だと考えています。
─どのようにして実現していくお考えですか。
効率化や省人化を目指すため、最先端のテクノロジーを導入するという方法があると思います。これまで弊社では、日本で初めてのマテハン導入とか、システム導入など、大きな投資の話が先行していましたが、やはり物流は現場力が重要で、テクノロジーを入れればできるかというと、そう簡単なものではありません。まずは、現場力をつけないといけないと思っています。では、どのようにして現場力をつけていくべきかとなると、時間はかかりますが、トータル4年くらいで、若手社員にサプライチェーン上にあるロジスティクスの各現場を一通り経験してもらいマルチ人材を育てたいと考えています。
あとは、スキームを変えることも考えています。例えば、国内の店舗が約550店舗あるため物量が増加したことで、クロスドック機能もコストがかかるため、メーカーの商品を弊社のDCで預かれないかどうか、そういうことを検討していく必要があると考えています。
─効率化もできるところは全て取り組んでいくということですね。
戸建ての2階に納品する際は、4人で納品しています。例えば、クレーン車のようなものの導入や、電動アシスト機能が付いている台車を使うことで、2人でも大きな荷物を運び入れることができないかという検証も行っています。
また、東京23区の東側で、ラストワンマイルのワンマン配送を行う実験をしています。ある程度データがたまってきたので、次は西側に拡大して、都内が終わった後に、大阪、名古屋、福岡へ拡大する予定で、外部に委託していた部分を自分たちで内製化することでコストを削減することができればと考えており、様々な角度から効率化に向けた取り組みを行っているところです。
─抱負についてお聞かせください。
社長に就任して、3つの課題をあげました。一つ目は、ローコストオペレーションの実現。二つ目が、事業会社として、外販事業を拡大していくこと。我々のノウハウを生かして、他社の家電や家具、ホームセンターなどの小売店との共同輸送を特に地方で積極的に進めていきたいです。
また、スワップボディコンテナも現在70台くらいあるので、そういうルート組みを外販事業含めてどのようにしていくかということを考えています。三つ目が人材育成です。中長期的視点で、今からしっかりと進めていきたいと考えています。
─パートナー企業については。
我々は利用運送を行っていますので、パートナー企業は非常に大切です。我々の荷物を運んでくれているトラックの週間台数は、大手キャリアへの配送分を除いて、店舗搬入などの幹線輸送事業(大型車メイン)で約4200台、家具宅配ラストワンマイル事業(2トン車メイン)で約6000台。パートナー企業様のご協力で、これだけの車両が動いています。
また、ニトリのECの荷量は前年比200%くらいで推移しており、24時間体制で現場を回しています。パートナー企業様にはこのような状況下でも安定した仕事をお渡しできていると認識しておりますが、さらに物流コストを削減するためにも、曜日別出荷物量の標準化も進めていきます。
◎関連リンク→ 株式会社ニトリホールディングス
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