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    BDFの協同組合が誕生、日本バイオディーゼル事業協組

    2009年5月13日

     
     
     

     バイオディーゼル燃料(BDF)の効率的な回収と安定供給を目的とした協同組合が誕生する。日本バイオディーゼル事業協同組合がそれで、廃油リサイクルを手がけるアンジェロ(三重県松阪市)と、1年前からBDFによる輸送を実施しているプロジェクト運送(東京都八王子市)が中心となり、現在、設立へと向けた準備が進められている。


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    バイオディーゼルの精製風景
     プロジェクト運送は、保有車両17台のうち5台をBDF専用車とし、地場配送に使っている。「以前、自分が長距離を走っていた時によく行った東北や新潟にいま行くと、環境の変化を実感する。雪が全然降らなかったり、昔では考えられない豪雨だったり」と話す小嶋敏幸社長。「環境に貢献できることはないか」と、2―3年前からBDFの導入を検討し始めたという。
     最初こそ「暗中模索で、試行錯誤の連続」(同)だったそうで、天ぷら油の回収にも苦労した。しかし、「同社がBDFを採用している」という事実が地元で定着したいまは、学校給食や食堂など、30―40社ほどの回収先を確保。月間1500―2000LのBDFを精製している。
     BDFが抱える課題として「配送途中で給油できず、長距離輸送には向かない」「精製したらすぐに使わないといけない」などが挙げられるが、新たな協同組合では、これらの解決も目的としている。会員事業者の拠点を給油所とし、全国で安定的にBDFを供給できる体制を構築。また、回収した廃食油や精製したBDFの量を一元管理することで、事業者間で需給の調整を図る。
     さらに、協同組合として組織化することで、「行政や地方自治体との交渉も、中小の運送会社が1社で話を持ち込むより、円滑に進められるはず。自治体が集めた廃食油を組合企業が回収すれば、双方にメリットが出る」。
     ただし、「車両によってはBDFを使えないものもある。税制の問題もある」(小嶋成敏専務)。なお、BDFを会員以外に販売することも検討している。
     昨年、軽油価格の高騰を受け、BDFに対する注目はにわかに高まった。しかし、小嶋社長は「コスト換算だけするならBDFはやらないほうが良い」と言い切る。現在の精製コストは、人件費を含めて1㍑あたり80―90円程度。同社がBDFを採用し続ける理由について、同社長は「生き残りをかけて『環境』に特化する。環境意識の高い荷主に、『これだけのCO2を削減できます』ということを積極的に提案していきたい」と話す。
     同協同組合が軌道に乗ることで、地場配送でしか採用できなかったBDFを、全国展開の荷主に提案することも可能となる。「中小同士でも得意分野を持ってタッグを組めば、新しい展望が見えてくるはず」と同社長。
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    小嶋敏幸社長(左)と小嶋成敏専務
     同協同組合は5―6月に正式設立の予定。問い合わせは、電話042(691)6730番(プロジェクト運送)まで。

     
     
     
     

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