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物流ニュース
京セラ 「Platio」活用し1日で棚卸アプリを作成
2020年10月16日
アステリア(東京都品川区)は、誰でも簡単にモバイルアプリを作成できるツール「Platio(プラティオ)」を開発。京セラの倉庫で活用されるなど、物流の現場にも浸透し始めている。
物流会社でも外注することなく、自社で自由にアプリを作れるのが特徴。マーケティング部の大野晶子氏は、「自社の業務に合ったアプリを3日で作って業務改善ができるツール。実際には数時間で完成させているユーザーもいる」と説明する。
同サービスには「勤怠管理」「修理受付」「車両位置管理」「配送報告」など、業種を超えた120ものテンプレートが用意されており、ここから自社に必要なものを選んで簡単な設定をすれば使える仕組み。最近では、「新しい生活様式」に合わせた「検温報告」のテンプレートがユーザーから好評を博している。
ドラッグ&ドロップで感覚的に作成でき、「いわゆる『コードを書く』という作業がなく、現場の方でも簡単にアプリが作れる」。スマホ側の機能を使い、テキストや写真、位置情報などのデータ登録も可能だ。
作成したアプリはスマホやタブレットで活用できるが、オフラインにも対応している。同氏は、「配送で電波の悪い場所へ行かれることもあると思うが、場所や時間を問わずに操作できる」と説明。「誰でも使いやすいようデザインにも配慮している」とも。
スタンダードプランは月額2万円で10ユーザーまで利用が可能。同3000円で10ユーザー増やすことができ、ユーザー数やデータ容量の上限、外部との連携の有無などによってプレミアム、エンタープライズの上位2プランを用意している。
京セラのケースでは、同社の新入社員からの「スマホで棚卸し業務が楽にならないか?」という意見からスタートしたという。通常、アプリを外注する場合は数百万円規模のコストがかかり、経営判断にも時間を要するところだが、「1か月の無料トライアル期間があることと月額2万円というコスト感でハードルが下がった。1日でアプリを作成され、すぐに現場へ展開して使い始められた」。使っているうちにどんどんアプリが作り込まれていき、「そのまま本格稼働の流れになった」。
40万点を越える在庫を扱う同社の倉庫では、棚卸業務で紙のリストを使用していたが、それをそのままアプリの項目に置き換えていった。これにより、現場がモバイル端末で情報を入力すると、リアルタイムで情報が共有されるように。集計作業もアプリで自動的に行われるようになり、紙とPC画面の照合作業や、紙を受け渡すための現場と事務所のスタッフの行き来がなくなったという。
こうした事例を振り返り、アステリア広報・IR部の齋藤ひとみ氏は、「とにかく始めやすさが決め手。サーバ構築など、初期投資がかからず、チャレンジしやすいのがポイント」と強調。「サポート体制も重視しており、レスポンスの速さはユーザー企業から高く評価されている」という。
京セラでは、使い始めた拠点以外にも、全国の拠点への展開が始まっている。また、棚卸し以外にも、資材部門での検品作業などに同ツールを活用する案も出ているという。
Platio営業担当の柳谷理恵氏は、「ハンディターミナルと異なり、倉庫内へのWi―Fi敷設が不要。月額料金内で対応できるカスタマイズも多く、導入までの工数やコストを大幅にカットすることが可能」とし、「現場に即した形にすぐ変更できるのも特徴」と、同サービスのメリットに「柔軟性」も付け加える。なお、スマホのOSは問わず、「1つアプリを作ればどの機種にも対応できる」という。
「現場の人たちが欲しいアプリを自分たちで作ることができる。自分たちで作るから、入れても使わないということがない」とアピールする。
◎関連リンク→ Platio
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