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ATOUN パワードウェアに腕アシストパーツ追加 鈴与と実地テスト開始
2020年10月28日
ATOUN(=アトウン、奈良市)は、腕と腰を同時にアシストできる着用型ロボット「パワードウェア」の新モデル「ATOUN MODEL Y + kote」の受注受け付けを開始した。出荷開始は来年1月を予定している。既存モデルの腰用のパワードウェア「ATOUN MODEL Y」は、製造業を中心に約700台を販売。物流分野でも、倉庫作業や引越現場を中心に導入実績がある。
「積み下ろし時に、腰は楽になったが、まだまだ腕力で強引に持ち上げている」というユーザーからの声を受け、新モデルは腕をアシストするパーツ「kote」を追加。藤本弘道社長が「本来のロボットらしさが見えてきた」と自信を示す同パーツは、重量物を持つ動きを指先に取り付けたセンサーで感知し、肩付近のモーターでパワー調節しながらワイヤーを巻き上げ、手首の引き上げをアシストする。フレームレスで人の自由な動きを妨げず、現場の多様な作業に対応。同社長によると、「ワイヤーを用いたフレームレスな腕のアシスト機器の量産化は世界初」だという。「腕はぐるぐる回したり、ひねったりもするので動作を捕捉するのが非常に難しい」とし、開発には困難を極めたという。
昨今、腰用のベルトやサポーターなど荷役作業を支援する製品が各種発売されているが、「電動ロボット」の同社製品は、非電動のものと比べて「自転車とバイクほどの差がある」と藤本社長。「実際に試していただければ、その違いが分かるはず」とし、価格だけでなく、「求める機能で選んでほしい」と訴える。
同社長は、「コロナ禍では、人と接しないための自律型ロボットと、作業の効率化を実現する支援ロボットという2つのニーズがある。アシストスーツ類は後者に属しており、今後、より需要は伸びてくるのではないか」と分析。さらに、「運輸の現場では、女性ドライバーが積み下ろしをする際のサポートなどにも使えるはず」とし、「今回発表した腕のアシストは、これまでにない価値をゼロから提供するもの。ユーザーの皆さんと一緒に使い道を広げたい」と付け加える。
「ATOUN MODEL Y」をすでに導入している場合は、「kote」の機能を追加することが可能。また、今後は製品バージョンをアップデートしていくことも検討しているという。「製品は開発途上にあり、アップデートすることで使用中の同じ機器で能力や価値をどんどん上げていくことができる」。
稼働時間は約2.5時間。防塵・防水機能はIP44相当で屋外での活用も想定。1年に1回、保守点検を行い、最大4年まで保証期間を延長することができる。
「この分野を手がけ始めて約20年、ようやくやりたかった世界が実現してきている」とし、さらなる普及を目指す。
ATOUNと鈴与 パワードウェアの実地テストを開始
ATOUNと鈴与は10月6日、同社物流センターで、同パワードウェアの実地テストを開始したと発表。25kg袋体や一斗缶、長尺の金属製品など、多様な荷物を取り扱う鈴与のセンターは、手作業での荷捌きが多く、作業者の負担軽減が課題となっていた。
ATOUNは、「ATOUN MODEL Y + kote」の最終確認を行いつつ、身体的負担の軽減度合いや作業効率、使用感に関するデータを収集・分析し、物流現場での効果的な運用方法を検討していくという。
鈴与の現場管理者は、「作業員定着の観点からも、こうした先端技術の導入による労働環境の向上をはかりたい」とコメントしている。
◎関連リンク→ 株式会社ATOUN
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