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    不況の余波ここにも…ルール知らずの新規参入に怒り

    2009年7月1日

     
     
     

     運送事業者の間では、同業者でも荷物のやり取りでは下請けになったり、元請けになったりすることが多く、取引を開始してからは信頼関係により、互いの荷主に元請けを越えて営業する行為は御法度とされている。


     しかし、新規参入の増加や景気低迷から「信頼関係も取引してなければ、後は関係ない」といった無責任な状態となり、以前、荷物をもらっていた運送会社を飛び越えて直接荷物確保の営業を行い、元請け運送会社に運賃値下げや物量減少など恩をあだで返す行為が増えてきている。
     大阪府堺市美原区でトレーラによる生鮮輸送を行うA社は、1年前まで専属で数台のトレーラを使用していたが、専属傭車のB社がドライバー都合により取引を停止。何とかやりくりして再び繁忙期を迎えたが、荷主から「以前、A社が傭車で荷物を輸送していたB社から、荷物を運ばせてほしいと言われた」と連絡があった。幸い荷主は新たな専属傭車の考えはなく、A社は胸をなで下ろした。
     このため、A社は元専属傭車だったB社に連絡をとり、「一方的なB社の原因で専属傭車をやめていったのに、今さら荷主に直接営業を行うとはどういうことだ」と厳しく申し入れを行った。しかし、夏の繁忙期前には再び、荷主から「B社から繁忙期にはぜひとも傭車としての依頼を待っているという申し入れがあった」と、A社に連絡が入った。
     これを聞いたA社社長は「あきれて何も言えない。1度B社と話し合って業界のルールを教えていくつもりではあるが、相手がそれを聞き入れなければ、目には目を歯には歯で対応していく」と厳しい対応も辞さないようだ。業界のルールは、秩序ある事業展開により、互いの事業継続につながるためのものではないだろうか。(佐藤弘行記者)

     
     
     
     

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