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物流ニュース
ダンボールは商品?梱包? 食品輸送で過度な要求
2009年8月19日
食品輸送を長年行っている大阪府の運送事業者は、近年の大手荷主の輸送品質に対するチェックの厳しさに不満を漏らしている。「一番大事な中身以上に外箱の品質チェックに神経をとがらせすぎだ」と社長は訴える。
同社の場合、荷物の積み地では食品メーカーの担当者がフォークリフトを使ってトラックに荷物を積み込み、荷下ろし地では同社の運転者がフォークリフトを使ってトラックから荷物を下ろしている。
先日、同社の運転者がフォークリフトで荷物を下ろすとダンボールにかすかな傷があることを荷主が指摘した。運転者にとってはまったく見覚えのない傷。自分の責任ではないと主張するものの、結局、ケースごと同社が弁償することになった。しかしそのケースは荷主側で処分するため現物を引き渡されることはなかった。
このようなしっくりこないトラブルは同社では2~3か月に1回程度発生しているという。ダンボールにあてものの型がついても弁償で、責任の所在もあいまいなまま荷主との力関係により大半は同社が責任をかぶっているのが実情のようだ。
運送事業者社長は、「荷主の担当者のフォークリフト作業を常に監視しなければならない状況。というよりも今の日本社会が品質に対して厳しすぎる風潮がおかしい。商品を保護するのがダンボールだからダンボールに少々傷があって当たり前。ダンボールが商品になっているのが現状で、まったく矛盾している」と疑問を投げかけている。(大塚仁記者)この記事へのコメント
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