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物流ニュース
郵便事業会社 電気自動車を40台導入
2009年8月24日
電気自動車(EV)が注目を集めている。日本郵政グループの郵便事業会社(東京都千代田区)は、7月に市販開始された三菱自動車と富士重工業のEVを神奈川県内の支店に40台導入。さらに集配業務用の軽貨物車をEVに改造して実証実験を行っている。郵便事業へのEV導入について経営企画部門経営企画部担当部長の山田春樹氏に聞いた。
郵便の集配輸送拠点は支店約1000か所、集配センター約2600か所ある。取扱物数は通常郵便物205億8700万通、ゆうパック2億7700万通、ゆうメール24億2500万通だ。
郵便物の集配用車両は貨物車(1t以上)2000台、軽貨物車2万2000台、自動二輪・原付き8万8000台、自転車8000台がある。これらを環境対応車両に順次更新するとしており、軽貨物の集配車はEVを主体に導入。1t以上の貨物自動車は全てハイブリッド車に、リヤカー付き電動アシスト自転車の配備拡大も行っている。
集配用改造EV軽貨物車を積極導入
なぜEVなのか。1t以上のトラックでEVはまだないが、軽貨物車はEVが登場する見通しがあるからだ。
同社は集配業務用のEV開発にむけた実証実験を行っている。08年の洞爺湖サミットでは三菱自のEV「アイミーブ」を郵便物配達や社員送迎に使用し実験した。
昨年からは横浜港と秦野支店で都市部・山間部での実証実験を行っている。富士重工業のEV「プラグインステラ」の後部座席を荷室に改造して配備し、荷量や乗車人数の影響、冷暖房使用の影響、都市部の渋滞や山間地走行の影響などを調査している。
さらに軽貨物車のガソリンエンジンを載せ変えて電気自動車にした集配用改造EV(改造EV)を深川と横浜港支店に2台試行配備し実験中だ。この車両は年内にさらに7台追加する予定。改造EVは天井部分にはソーラーパネルを搭載し走行中に補充電して必要走行距離を確保する機能も備えた。
フル充電には8時間ほど要し、走行距離は90kmほど。実際の集配業務で使用しているが、車庫に戻ってから夜に充電するようにしているので、途中で電気不足になることはない。山田氏は「EVの走行可能距離とパワーについては問題ない。むしろ集配業務にあった車体の開発が求められる」と今後、自動車メーカーから商用車タイプの登場に期待する。
改造EVに乗っているドライバーの感想は、「ガソリン車よりも出足が早くスピードが出る。音も静か。集配先でめずらしがられ、とくに子供たちは喜ぶ」という。企業のイメージアップに貢献しているようだ。
電気で走るEV導入で夢も広がる。山田氏は「将来的には音がしないで排ガスも出ないEVの特性を生かして、集配センターのあり方も変わる可能性がある」と話す。たとえばセンターに乗り入れた集配車両から郵便物を台車に載せかえて仕分け場所まで運ぶ作業をなくして、EV車両でセンターの中へ直接乗り入れる方式への転換などだ。 今後、大型トラックはハイブリッドを導入するが、集配用の軽貨物車2万2000台はEVに入れ替える。代替え時期が来た車両から順番にEVにし、10年ほどで全車両がEVになる予定だ。
山田氏この記事へのコメント
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