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    一括購買へ切り替える運送事業者が増加

    2009年8月31日

     
     
     

     景気回復の先行きが見通せない昨今、厳しい経営を強いられている運送事業者が多い。経費削減でできることと言えば、省燃費運転や人件費の抑制といった、既に取り組み済みのものが挙げられるが、まだまだ見直せるモノもあると言われている。その一つが、拠点を各地に持つ企業で散見される営業所ごとの購買だ。特に、ストレッチフィルムや緩衝材などの物流資材は荷主が違えば消費量も異なるため、コスト管理が厳しいとされる大手事業者でも、営業所長の判断に任せているケースが多い。


     拠点ごとに半年から1年分の使用量を面倒でも計算し、本社での一括購買に切り替えることで、スケールメリットが発揮され、納入業者との交渉力が格段に増す。関西のある事業者は、約30か所の営業所で使用されるラップを本社でまとめて購入。コンテナ1本分もの量になったというが、大幅に単価が下がったという。
     奈良市に本社を構える富士運輸(松岡弘晃社長)も一括購買を採用した1社。安全運行と環境活動に積極的なことで有名な同社だが、コスト削減も徹底して取り組んでいることで知られる。担当の伊藤誠紀氏は、「ストレッチフィルムや緩衝材を一括購買しているが、単価が安くなるなどメリットはある」と説明。
     富士運輸では一括購買に切り替える際、『うんそう繁盛ネット』を運営するロジ・コンビニエンス(TEL06-6415-0645)に相談。同サイトでは、一括購買を検討する企業ごとに「購買コンサルタント」が担当。ト協の助成制度にも精通する彼らが、運送事業者が購入したい製品に対して最適な販売会社を紹介。特定の商品やメーカーにこだわらず、販売会社と交渉もし、価格を引き下げる。しかも、利用料は無料。一般的な成功報酬制でもなく、利用企業の負担は一切ない。
    0831rogi.jpg 同社で購買コンサルも務める前仲正美取締役営業第二部長は、「もちろん自社商品も提案させてもらうが、当社では出せない価格を提示するメーカー・販社も数多く知っている。当然、顧客企業にメリットが大きい方を紹介する」と説明。「当社を知って頂き、信用して頂ければそれで十分」とし、「損して得取れの精神で、会員の増加を期待している」と、その狙いを語る。また、「営業所で共通して使用するものを本社で一括購買されることで、コストだけでなく、現場サイドの発注の手間も大幅に減ると喜ばれている」と付け加える。
     運送事業に詳しい物流コンサルの黒澤明氏(ロジスティクス・サポート&パートナーズ)に話を聞くと、「1ケース出荷するのと1パレット出荷するのとでは、当然1パレットの方が出荷も配送もコストが安く済む。物流のプロであるはずの運送事業者が、小ロットの購買を繰り返し、その都度、余分なコストや運賃を負担しているのではないか」と指摘。
    0831rogisp.jpg 「まして梱包資材は物流コスト比率が高い商材であり、購買ロットによって単価が大きく変わるのは当然」とする。さらに、「物流のプロはプロらしく、購買プロセスをまとめることでトータルコストを下げるべき。運送事業者は、このような物流コストの削減策を荷主に提案すべき立場でもあるので、こういった手法を試す絶好の機会では」と付け加える。
     また、「営業所ごとに購買の権限を渡していると、どうしても担当者と納入業者との関係が出来上がってしまい、適正価格より高く提示されても目をつむってしまう傾向が強い」とも。

     
     
     
     

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