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物流ニュース
澤運送 いなり寿司とコインランドリー、多業種経営を生かして様々なサービスを提供
2021年2月18日
新型コロナウイルスの影響で、物流業界でも大きな変化が起きた2020年。今年も運賃の低迷や荷量停滞など、厳しい現状が続くのではと予想されている。しかしそのような状況の中でも、独自の強みで成長を続ける企業もある。
澤運送(澤順子社長、滋賀県米原市)は、本業にとらわれない柔軟な発想で、いなり寿司専門店やコインランドリー事業を手がけるほか、運送部門においても社員の働きやすい環境づくりに力を入れ、驚異の社員離職率の低さを誇る。
同社が手がけるいなり寿司専門店「扇」は神社の赤い鳥居をモチーフにした柱が印象的な造りで、高齢者などが車椅子でも来店しやすいようバリアフリー構造を採用している。地元産のお米など安全・安心な食材や自然の素材を追求し、2021年は、いなり寿司からお弁当までラインナップを豊富に取り揃え、テイクアウトに力を入れていく考えだ。澤社長は、「お弁当は朝9時までの注文に対応するので、近隣の企業様などに好評を得ている。『今日は5人分必要だけれども、明日は2人分だけでいい』などという細かな要望にも応えられるのが強み」と話す。
またコインランドリー事業では、2店舗目が「扇」の敷地内にオープンした。「『扇』を訪れた方にコインランドリーを利用いただくことで地域密着型を目指している。地元の中小運送事業者だからこそ、地域密着のより細かなサービスができると自負している。女性の働き方応援や高齢者の生活支援で、家事負担を少しでも減らすことができればという思いを込め、2号店をオープンさせた」
運送部門においては、会社で免許の取得支援を全額行っているほか、有給取得率も他社に比べ非常に高く、残業も少ないことから女性ドライバーの離職率はこの2年でゼロだという。給与は歩合制を完全に排除し、住宅手当や子ども手当など各種手当を充実させ、求職者は増えている。「月給制だからこそ、有給取得率の高さが実現できている。来期は時間有給の導入を検討しており、子どもの行事参加や介護などに活用してもらえれば」と話す。2030年代に、国内でガソリン車の新車販売が禁止となるのではと一部で報道されている中、澤社長はこの流れがモーダルシフトへの大きな後押しになるのではと予想している。「コロナの影響で、大型長距離輸送からBtoCのような形が今後さらに求められていると感じている。労働時間の問題などからもモーダルシフトは進み、BtoCの物流がより主流になるのではないか」と分析する。
会社創立70周年と澤章二会長の米寿のお祝いが、ともに2022年にあたることもあり、今年は来年に向けて、さらなる歩みを進めたいという澤社長。「今後、高齢世帯の宅配弁当需要などを見越して、軽車両による冷凍専門の弁当宅配などを検討している。今後も、多業種経営の強みを生かした様々なサービスを提供していくことができたら」と話した。
◎関連リンク→ 澤運送株式会社
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