-
物流ニュース
大隅物流 医薬品輸送に特化、GDP要件満たした温度管理
2021年5月19日
医薬品輸送を行っている大隅物流(山川栄明社長、茨城県稲敷市)は、3月1日に、日本の陸運事業者(トラック運送事業者)では初めてとなる IATA CEIV Pharma 認証を取得。成田国際空港が結成した「成田空港コミュニティ」のメンバーの陸運事業者のカテゴリーでCEIV Pharma 認証を取得した。
同社は医薬品専門の運送会社として2013年に、医薬品物流事業を開始。医薬品輸送で最も重要なのは温度管理であるため、全過程で管理ができる体制を整えており、輸送車両は現在、加温機能付保温車など1トンから10トン車まで16台所有している。
同社の事業は医薬品物流事業を中心に、エルプロ社(スイス)の日本代理店として温度ロガー販売と温度マッピングサービスを行う温度計販売事業と、バキュテック社(ドイツ)の保冷コンテナ「va-Q-tainer:バキュテナー」を日本で唯一管理しているコンテナ管理(オペレーションのみ)事業の3つの事業を行っている。
同社を設立した山川社長は「前職では医薬品の機械を販売する商社に勤めていたが、運送事業を経営している父親から、使われていない冷凍冷蔵倉庫を譲り受けることになり、倉庫を活用した事業を何か始めなければならなくなったため、医薬品業界での経験と運送会社の息子として、医薬品物流をはじめることになった」と話す。
運送事業の経験が全く無かった山川社長は、前職でお世話になった製薬メーカーの人から、GDP(医薬品に関する物流の基準)が重要になるということを聞き、まだ誰も研究していない分野だったため、2012年から研究を開始。
山川社長は「日本PDA製薬学会で毎年、医薬品物流の研究発表している」とし、「製薬メーカーなど取引先からの輸送の依頼に対して、できる限り薬品を劣化させないように送り届けるため、最善の方法を研究している」という。
そうした思いから、「今後の日本の医薬品輸送について、デジタルタコグラフが重要だと思っていたので、トランストロンと共同開発で、車両の冷凍機とデジタルタコグラフを連動させ、ドライバーだけでなく、事務所側でも温度を把握できるようにした」としている。
GDP要件を満たした温度管理を含む医薬品輸送を行うため、同社では劣化のリスクが非常に高いバラ積みの仕事は受けないなど徹底している。また、研究発表などを行っている山川社長は、薬品業界の多くの人に知られる存在でもある。
そのため、メーカーから輸送依頼で指名されるほど、同社は信頼を得ており、取引先が同社の輸送スケジュールにあわせて日程を調整することもあり、1年先のオーダーが入ることもあるとしている。
◎関連リンク→ 大隅物流有限会社
関連記事
-
-
-
-
「物流ニュース」の 月別記事一覧
-
「物流ニュース」の新着記事
-
物流メルマガ