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物流ニュース
不況が追い風、業績好調 ハマキョウレックス
2010年4月21日
ハマキョウレックスの好業績が続いている。2010年3月期は売上高810億円、経常利益45億円、純利益21億円を計画していたが、第3四半期の時点で経常利益40億800万円、純利益19億8500万円を計上。
不況下にもかかわらず利益面で過去最高を達成するのは確実だ。1月4日付で社長に就任した大須賀秀徳氏に、好業績の理由と今後の展望を聞いた。
好業績が続いている要因は
「一番大きいのは新規業務を年々獲得していること。もう一点は扱う貨物の品目が偏っていないこと。食品から医療関連まで、あらゆる業種をカバーすることで、リスクヘッジができている。景気に左右されないよう、ルールとして一つの顧客が10%以上を占めないようにもしている。案件を問わず何でもトライするのが方針だ」
新たな案件はどのように獲得するのか
「他社とのコンペによるケースと、最初から当社を指名してくるケースがある。割合は、ほぼ半々だ」
不況はハマキョウレックスにとって追い風か
「既存顧客にとってはマイナスだが、不況によって企業の物流コスト見直しが進んでいる。これが新規案件の獲得につながっており、トータルでみればプラスだ。もう一つプラスの要素を挙げれば人材の採用。2年前は募集を掛けてもなかなか人が集まらなかったが、現在は比較的容易になった。ただ、景気が回復すれば人材不足はまたやってくる。その時のために準備しておく必要がある」
コスト競争力はどのように生まれるのか
「リーマン・ショックを受けて、コスト見直しに着手した。役員の出張手当を半額にし、人数も特別な理由がない限り1人、というルールにした。また、全てのセンター長を集めて毎月開いている経営会議は12回のうち8回を、ウェブカメラを使用したテレビ会議に切り替えた。徹底したコスト削減策が今の業績に寄与している」
規模より利益を重視する
「中期経営計画で掲げた来期(12年3月期)での連結経常利益60億円を死守したい。今期の業績が順調なので、このままいけば達成できそうだ。売り上げよりも利益を基準に考えていきたい」
昨年に3社(松本運送、大浜運輸、浜松興運)を買収した
「3件とも向こうから話があったもの。そのあともM&Aの話は来ているが、(今後もM&Aを)やるとすれば陸運関連よりも物流センター事業が中心となるだろう」
3社の経営にハマキョウはどうかかわるのか
「基本的には企業の独自性を尊重し、ヘルプが掛かったときにだけ対応していく。近物レックスは例外だ」
シナジーに関しては
「今は3社とのシナジーを研究・模索している段階だ。例えば松本運送はハマキョウと同じ農協関連の業務を行っている。そのあたりのシナジーが徐々に出てくるだろう」
就任して3か月が経過した
「本当にあっという間だった。これまでは管理部門の仕事が中心だったが、営業サイドも見るようになり、副社長時代よりも視野が広がった」
社員に言っていることは
「『日々決算』『全員参加』『コミュニケーション』の三つのキーワードを改めて徹底するよう言っている。規模が大きくなるにつれて部署ごとに温度差が出てきている。ボトムアップの必要性を感じている」
今の課題は
「各物流センターのセンター長は重要な役割を果たしており、育成は大変な作業だが、最近は十分な教育ができないままセンター長になってしまうケースが出てきている。そのあたりを基本から見直していきたい。また、4月からの労基法改正への対応も急務。時間外(勤務)の管理を徹底していく必要がある」
◎関連リンク→ 株式会社ハマキョウレックスこの記事へのコメント
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