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物流ニュース
東京港 海コン運送業者の悲鳴
2010年8月26日
東京港のゲート待ち時間の拡大で海コン運送業者が悲鳴を上げている。
繁忙期にはゲート待ちが6時間以上にも及び、コンテナ搬出を終えるのが深夜になる場合もあるという。コンテナヤードの搬出入体制の遅れや待機レーンの未整備、倉庫や公園、住宅地が入り組む未統一な埠頭整備などが原因だが、解決策は示されていない。
「ゲート待ち時間が平均で4、5時間。繁忙期には6時間以上待たされる」と話すのは、東京港を利用する海コン輸送業者。
リーマン・ショックによる不況で一時は、ゲート待ちによる混雑は減ったが、最近の荷物量の回復で以前にも増して混雑するようになったという。コンテナヤード会社が人員削減したことも、混雑に拍車を掛けているようだ。
別の海コン輸送業者は「ヤード会社は船のスケジュールを最優先するから、船が接岸するとそちらに人員を割き、トレーラは後回しにされる。そのためにドライバーの労働時間が延びていく」と不満を隠さない。
大井埠頭ではコンテナの搬出入が集中する昼過ぎからゲートオープン終了の午後4時半にかけて、ゲート前の道路にトレーラの長蛇の列が発生する。ゲート待ち専用レーンに並ぼうとするトレーラが一般車線を塞いでしまい、交通マヒを引き起こしているのが現状だ。
東京都港湾局は、空コンテナをターミナルゲート外に置けるバンプールを設置するなど渋滞緩和策を講じる。コンテナの搬出入の時間をネットで予約できるシステムの導入も進めるが、現状では1時間あたり6台までの利用が限界。3年後には沖合いを埋め立てた中央防波堤に青海、大井埠頭のコンテナターミナルの一部を移設、トレーラの待機場所や駐車スペースを整備する計画を立てるが、それまでは有効な打開策を示しきれていないのが現状だ。
7月1日から、青海埠頭の一部などでコンテナゲートオープン時間が午後8時まで延長となる国の社会実験が始まったが、1回の利用料4000円が海コン運送事業者に課せられる上、一部のみで行っているため延長時間にトレーラが殺到し、以前より労働環境の悪化につながるという。東ト協海コン部会は、早朝の時間延長を求めていたが、実現しなかった。
ある事業者は「現状はコンテナヤード会社のみが得する構造になっている」とこぼす。埠頭にある倉庫会社の従業員は「コンテナヤードの夜間の時間帯を利用すべき。コンテナ船のバース使用料などを時間拡大分の人件費に充て、トレーラの夜間進行を促進させないと完全にマヒ状態だ」と打ち明ける。この記事へのコメント
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