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    「給与体系、これが一番の方法」

    2011年3月15日

     
     
     

     岡山ト協の美作地域協議会(中岡海城雄会長)は2月16日、津山市の輸送サービスセンターで交通・労働災害防止研修会を開催。岡山、倉敷の両地域協で先に開かれた同趣旨のセミナーが好評だったことから県北エリアでも実施する運びになったもの。
     前半の講師を務めた松島秀仁氏(インターリスク総研・上席コンサルタント)は、トラック運送事業を取り巻く経営環境の変化と、現場の指導・教育の在り方などについて解説。「事故と違反を繰り返すドライバー」からデータを引用しながら、マイナスのスパイラルを解消するための「自己特性の気づき」に主眼を置いた教育の重要性を指摘した。
     一方、後半に登壇した小山雅敬氏(三井住友海上火災・サポートセンター長)は「労使トラブル・解決と予防の要点」をテーマに、急増する労使間トラブルを未然に防ぐための賃金体系の在り方などについて講演。「いまのままでは2、3年後に長距離運行は不可能になる」「トラブルが起きる前に、少しでも早く対策を講じることが会社を守ることにつながる」などと話した。
     「トラック事業者へアドバイスして20年以上になるが、これが一番の方法だと感じている」と、小山雅敬氏が示した給与体系は「基本給+運行時間外手当+職務時間外手当」。


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     採算とコンプライアンスを両立させる賃金の払い方だという。トラック事業では従来、個人償却制やオール歩合制などのほかに、日給月給をベースに各種手当を加えて支払う格好の給与体系を敷くケースが幅を利かしてきた。同氏は、全国各地で労使間トラブルが頻発するなかで早期のテコ入れが必要との認識を重ねて強調した。
     「経営者にとって注意すべきは労基署などの行政だったが、いまは従業員と、その先に潜む法律の専門家を相手にしないといけない」。残業代の未払いに絡む問題で、次々と運送会社がトラブルに巻き込まれていく例を挙げ、「たった1日の差が天国にも地獄にも変わる。問題が起きていないうちに手を付けておくべきだ」と断じる。
     同氏も以前は完全歩合制や、日給月給の仕組みを手掛けたこともあったという。ただ、「歩合制は売り上げの6割保証の問題、日給月給の場合は『日給×勤務日数』の基本部分に無事故や家族、皆勤、時間外などの手当をプラスする形が大半となるが、それら手当のほとんどは最低賃金の計算に含めることができないため、最低賃金割れで行政処分の対象になってしまう」と指摘。
     「これしかない」という結論に至った運送会社の給与体系は、「基本給(基準内賃金)」に「運行時間外手当」と「職務(調整)時間外手当」を加える格好。それ以前は運行手当のなかに時間外賃金が含まれる形にしていたが、労基署から「時間外部分が従業員にわからない」との指摘があったことで運行時間外手当の表現に変えたという。
     研修会では、月給が24万円の4tドライバーを例に挙げ、岡山県の最低賃金(時給683円)を踏まえた基本給を11万9000円に設定。調整時間外手当は最低賃金の「上げシロ」の意味合いを持たせ、向こう3年間に備える形で1万1000円を確保し、これらを逆算すると残りは11万円。これは、およそ140時間分の残業代に匹敵する金額になるという。
     また、運行時間外手当や職務(調整)時間外手当、さらに「必ず入れてほしい」という評価加算分のいずれについても、賃金規程に「算定された金額を、運行業務にともない発生する時間外、深夜および休日労働に対する割増賃金として支給する」と明記するなど、細かな配慮を施した給与システムを早期に構築する重要性を重ねて強調している。

     
     
     
     
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