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    宮城県の運送事業者 「不当解雇」と提訴

    2011年5月11日

     
     
     

     宮城県の運送会社「永大商事」(永松世志一社長、岩沼市)が東日本大震災を理由に会社の解散を決め、従業員全員に解雇を通告したのは「解雇権の濫用」として、同社のドライバーら9人が4月18日、地位確認と未払い分を含む賃金計約7860万円(法定請求限度額)の支払いを同社に求める裁判を仙台地裁に起こした。
     大震災の影響で操業不能となった会社の倒産や、それに伴う解雇などが日増しに増えているが、震災理由の解雇を不当とする訴訟は初めて。原告側は「会社はほとんど被害を受けていない。震災を口実にした解散、解雇で容認できない」と主張。これに対し会社側の弁護士は、「正当な理由に基づく廃業で、解雇は有効だ」と説明している。


     永大商事はトラック運送、倉庫など物流業務を展開し、引越輸送なども手掛ける。従業員はドライバー30人、倉庫関係9人、事務職8人のほか、清掃部門に直接雇用のパート15人を抱える地元中堅企業。
     訴えによると、従業員全員が震災後の3月31日、郵送で会社から解雇通知を受け取った。その内容は(1)会社経営が赤字(2)代表取締役が体調不良で後継者がいない(3)震災による影響――を理由として4月末時点で全員解雇し、その後、会社は解散するというものだった。
     原告の代表格である高野一男氏(52歳)は「会社のトラック約40台のうち、被害を受けたのは仙台港近くに止めていたトレーラ荷台2台だけで、ほかは無傷。震災後も取引先や被災した同業他社から荷物の依頼が続き、今は一部の従業員が運送業務に当たっている」と話す。
     6日には会社による「再就職の説明会」があったが、「再就職の斡旋を受けた際、『給料が下がってもいい』との同意書を書かされたぐらいで誠意は全く見られなかった」と従業員。「会社には6億円もの溜め込み金があり、会社役員には社長の弟(50歳代)もいる。会社経営の維持が困難な企業に国が援助する雇用調整助成金などには全く聞く耳を持たず、従業員の再就職の保証もなく、とにかく強引に解雇し、会社を解散しようとしている」と高野氏。
     原告側は7日に井口経明岩沼市長、8日には倉茂周典宮城ト協会長、小川浩一宮城労働局長、清谷伸吾東北運輸局長に「要請書」を提出。それぞれの立場から「永大商事が会社解散、全員解雇などをやめ、働き続けられるよう尽力」を求めた。さらに再就職への不安から、14日にはメーン荷主である東洋ゴム工業の中倉健二社長と同社仙台工場の磯部典幸工場長宛てに、「永大商事従業員の雇用維持の要請書」と題した文書を提出。「路頭に迷うことなく再就職の確保が図られるよう」理解と尽力を要請した。
     原告団の1人、窪田久芳氏(56歳)は「とにかく今後の生活が大変。会社のやり方はアンフェアだ」と強調。小原衆司氏(47歳)は「20年以上勤めてきたが、震災を利用して会社から突き放された気持ちでいっぱいだ」と憤る。一方、会社側の弁護士は「震災で売り上げが3分の1に激減するなど総合的に廃業せざるを得ないと判断した。正当な理由に基づく解散であり、解雇は有効」とコメント。
     宮城労働局は「地震被害もないのに、それを口実にした会社解散なら大問題。本省にも照会するなど対応する」としている。

     
     
     
     
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