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    大震災から1か月、実運送の実情「特需でも不安感」

    2011年5月9日

     
     
     

     被災地周辺の生産・物流機能が大きなダメージを受けたことで急きょ、代替拠点としての役目を担う西日本方面の工場・流通基地に出入りするトラック事業者の業務が多忙を極める一方で、極端な仕事量の落ち込みで事業の継続を危ぶむ運送経営者の姿もある。
     また、最前線となる運送現場では慣れない運行経路への組み替え作業や、フル稼働にともなう現場ドライバーの疲労、先行き不透明なまま「震災特需」で増車を迫られる現実に不安感もぬぐえない。大震災から1か月が経過した実運送現場の様子をのぞいてみた。


     スナック菓子などの輸送を手掛けてきた兵庫県のトラック事業者。社長によれば「震災で取引先メーカーの関東工場の機能が全面的に停止したことで、増産のためにこちら(西日本)の工場がフル稼働の状態。出荷量が増えているうえ、配送エリアも広がるなど当社のトラックもピストン輸送で大忙しになっている」という。
     ただ、この先の不安要素もある。メーカーの担当者からは「原料となる野菜類の在庫が残りわずかになっているが、入荷スケジュールにメドが立たない」と説明されているからだ。「中古車も購入して出荷増に対応しているが、この忙しさがいつまで続き、その先はどうなるのかを考えると不安」と複雑な表情を浮かべている。
     近年は関東・東北エリアへの輸送を傭車に任せてきた広島県の運送会社も震災後、燃料問題などで傭車の手配がままならず、関東への帰り便も見つからないことから自社対応を余儀なくされている。社長の話では「燃料を確保するため、あらかじめ軽油を入れたドラム缶をトラック荷台の片隅に積んで出発させている」という。
     ただ、「キレイなドラム缶がなかなか見つからない」のが実情の様子。なかには「元はオイルが入っていたドラム缶を使っている」という事業者もいる。トラックがトラブルを起こす可能性もあるだけに、相談を受けることもあるというディーラーの営業マンも「お勧めできないと伝えるが、選択の余地がないという事情もわかる」と言葉を選ぶ状態だ。
     「これまで自動車関連の輸送業務を担当してきた」という広島ナンバーのドライバー。高速道路のパーキングエリアで話を聞いたが、「(会社からは)場合によっては5月の連休明けまで仕事がないかもしれないと聞いている」。勤務する運送会社は自動車以外の物流も手掛けるが、「自分らにまで仕事が回ってくる可能性は低い」。
     大震災で消えた仕事の穴埋めに回ってきたという、地元の家具メーカーが製造する棺桶80基を「1台のトラックに積み込んで被災地へ走ったこともある」と言葉を詰まらせる。会社側は再び雇用調整助成金の活用を考えているらしく、「しばらくは事業所周辺の片付けなどをやるように聞いている」という。
     自治体などが被災地に向けた緊急物資輸送を各地のト協に依頼しているが、「緊急時の車両提供などで双方が協定を結んでいるから当然。でも、一般の荷主が同じようにト協へ応援を要請するのは話が違う」と岡山県の運送社長。ホコ先になったのはメーカーの物流子会社で、車両も保有していることからト協にも加入している。
     震災の影響で緊急輸送に迫られた物流子会社は何を思ったのか、協力会のメンバーにトラックの手配を求めるよりト協への依頼を優先。これまで物流子会社と取引のない会員事業者にも情報が舞い込んだが、関係者らは「協力会メンバーが気の毒。ボランティアで運んでもらおうと考えたんじゃないか」と冷ややかだ。

     
     
     
     
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