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    段ボール箱は商品か 傷、汚れで買い取り迫られ・・・

    2011年6月15日

     
     
     

     商品が入った段ボール箱を満載したトラック。一般的には段ボール箱は梱包資材で、その中にある商品を守るのが役目…そう考えてしまいがちだが、物流現場での意味合いは大きく異なる。段ボール箱に擦り傷や、一部が少し汚れただけで全部を買い取るように迫られる運送会社が珍しくない。なかには「売価で弁償させられた揚げ句、製造物責任とかの関係で商品は渡してくれない」というケースもある。
     「段ボール箱も商品」という荷主側の主張と、「それなら段ボール箱を、さらに梱包するための段ボール箱でも用意してもらわないと、いまは『丸裸の荷物を運んでいる』という状態」と運送会社。厳しいペナルティを避けるため、同業者間で責任をなすりつけ合うトラック事業者の様子も垣間見られる現場を訪ねてみた。


     荷崩れなどによって商品が入った段ボール箱が大きく損傷した場合は別として、わずかな汚れや破れまでを弁償させられる立場は大変だ。紙製品などを扱う岡山市の運送会社は「荷締めしたラッシングベルトの跡がダンボール箱に付着したという理由で、中身に何ら影響がない十数箱を買い取りさせられた。梱包による商品保護が役目の段ボール箱までを商品というなら、それをさらに包み込む外箱(段ボール)を用意しろ…といいたい」とぶちまける。
     傭車で飲料を扱ったことがあるという運送会社(広島市)の社長も「段ボール箱は梱包材じゃないのか」と断じる。「持ちやすいように、指を入れる部分に切り目が入った段ボール箱があるが、『あそこに指を入れていいのは小売店』と後で聞かされた。箱も商品ということで保険を使って弁償することになったが、畳んだ段ボール箱をゴミとして持ち帰るように依頼されるケースもあるだけに納得がいかない」と話す。
     段ボール箱が傷付く可能性は、なにも輸送途上に限られたことではない。食品をメーンに手掛ける岡山市の運送会社は、荷主が所有するセンターの入出庫業務も請け負っているが、センター内に巣作りした鳩の対策に苦慮しているという。社長によれば「鳩が荷物(食品が入った段ボール箱)にフンを落とすと、それはウチが弁償することになる。防護ネットの敷設などを所有者である荷主に求めてきたが、対策に乗り出す様子はゼロ。理不尽な話だと思う」と憤りを隠せない。
     一方、現場ドライバーの反道義的な行為が運送会社のクビを締め、さらに品質管理への注文を厳しくさせている側面もある。「大型トラックに満載した荷物を1か所にドンと下ろす運送会社の場合、段ボール箱の損傷部分が見えないようにクルリと回して荷下ろしすれば、責任の所在はあやふやになる。結局は、2次配送の運送会社まで含めた連帯責任として荷物のチェックが一段と厳しくなり、同時に罰則も重くなる」と倉敷市の運送社長。
     ただ、「取引先が段ボール箱をそのまま店頭に陳列して販売する形式を取っているため、箱も商品といわれれば仕方がない。安全・安心への意識が過剰という思いは確かにあるが、品質管理が厳しく求められるのは時代の流れであり、逆転の発想で『その部分が徹底できれば自社のアピールにつながる』と前向きに考えるようにしている」と話す関係者もいる。大手量販店に納品しているという神戸市の関運送会社も、その一つだ。
     損保関係者の話では「どこまで荷物保険でカバーするかはケースバイケースだが、基本的には損害請求があれば支払う。最近は、段ボール箱に傷が付いただけで保険を使うケースも決して少なくない」という。また、リサイクルの高まりから段ボール箱の強度の問題を指摘するトラック事業者も見られるが、「水分などの影響を受けるため、生産されたのが冬か梅雨期かといった要素で事情が変わるのは段ボール本来の特性。(リサイクルに関連した)そうした声を聞くこともあるが、JIS規格に適合した製品を生産していることに変わりはない」(全国段ボール工業組合連合会)と説明している。

     
     
     
     
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