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    「0円引っ越し」が登場 警戒する中小専業者

    2011年9月1日

     
     
     

     「100円引っ越し」がインターネットで話題となったが、ついに「0円引っ越し」が登場した。仕組みは100円引っ越しと同様、物流事業者がITベンチャー企業などと提携し、ユーザーがインターネット契約を行うことでマージンバックされ、引越料金に充てるというもの。
     引越市場では「ゲテモノ」扱いされてきた格安引っ越しだが、日本通運が「0円引っ越し」に参加したことで様相が変わってきた。引っ越し大手のヤマトホームコンビニエンスも「検討中」だ。こうした動きに中小の専業者らは「プライスリーダーとなる大手が次々に参入したら市場は大混乱する」と警戒している。


     日本通運はインターネットプロバイダー「DTI」と提携。「夢のコラボが実現」と銘打ち、ネット上で大々的にPRしている。ユーザーが新居で指定のインターネット回線を申し込み、契約すると「引越費用をキャッシュバック」する仕組みで、「プランによっては実費0円になる」と説明している。
     同社の担当者によればDTIとは昨秋、東京支店が契約した。今秋のシーズンをにらみ、本格的に0円引っ越しの宣伝を始めたという。利用件数も伸びる中、キャッシュバックは「3万円が上限」。テレビなどでPRしている東京23区内に限定した「ワンルームパック」は2万9800円なので「事実上、0円でできることになる」と担当者。
     今年2月、「100円引っ越しなどというのは貨物取扱事業として違法ではないのか」との声が国交省に殺到。今春、国として実態を調査した経緯がある。その結果、「違法性はない」と判断された。「運送行為自体にプロバイダーは責任を負わないことが明確化されている点や、『取扱い』ではなく『取次』のため現行法では抵触する法律がない」がその理由だ。
     違法性はないとされたことで、プロバイダーの勢いは一気に加速し、主に首都圏の引越事業者を巻きこみながら拡大している。
      中小専業者らは「消費者に誤解を与えるのは間違いない。引っ越しの運賃・料金秩序は混乱する」と強調。「テレビなどで通常のサービスをPRする一方、インターネットでは0円を宣伝するということ自体に文句はない。ただ、市場に大きな影響を及ぼす日通という巨大な企業が、それをすることが脅威だ」と東京の事業者は話す。
     引越社のように「うちはやらない。正攻法でいく」という大手もある一方、クロネコヤマトの引っ越しを展開するヤマトホームコンビニエンスの引越事業責任者は23日現在、弊紙の取材に対して「そうしたサービスの存在は知っている。従来からユーザーの利便性を第一にサービス品質を追求している。ユーザーにとって真の利便性か否かを見極めつつ、検討していく」と回答した。
     サカイ引越センターは「やっていないし、検討するつもりもない。0円と言っても全部が0円ではないはず。引っ越し一筋でやってきた当社としては、引越輸送以外のことにあれこれ手は出さない。引越サービスが良くなるならするが、そうは思えない」(引越事業責任者)と話している。

     
     
     
     

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