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    円満退社のはずが弁護士から封書 恩を仇で返すドライバー

    2011年10月4日

     
     
     

     ドライバーのためだと思ってやった親心が裏目に出てしまい、労働審判を申し立てられてしまった運送事業者。中小・零細企業が圧倒的に多い運送業界にあって、経営者らは、自身が苦労して経営してきただけに情け深い人が多い。だが、その情けを逆手に取る行為が目立ってきているのが事実。ドライバーと経営者の間にトラブルが頻発している。ドライバーに訴えられた事業者は、「はらわたが煮えくり返る思いだが、同時に飼い犬にかまれることは、本当に辛いことだ」と吐露している。


     埼玉県の事業者に、そのドライバーが入社したのは平成20年5月。社長自身が面接して採用を決めた。同社社長は、「特に問題もなく、真面目に仕事をこなしていた」という。
     だが、3年目を迎えた今年、異変が起こった。休暇中に交通事故で怪我をしたとして、診断書を提出してきたのだ。全治2週間という医師の診断書を渡された同社長は、その診断書の通り、ドライバーに休むことを許した。しかし、2週間が経っても出社をしてこなかったため、ドライバーに連絡を入れた同社長は、「さらに休む場合、診断書を再提出するように求めた」という。
     しかし、ドライバーは、診断書の準備をするどころか、今後のことを話し合おうと約束した日にドタキャン。結局、話し合うこともできなかった。同社長は再度連絡を入れ、出社するよう約束を取りつけたが、その日も結局、ドライバーは出社せず、連絡も取れなくなってしまった。
     同社長は忍耐強く連絡を取り続けた。というのも、そのドライバーが親を病気で失って間もない中で、気落ちしていることを知っていたからだった。何とか仕事に復帰させ、通常の生活を取り戻させてあげたい…そんな親心から、同社長は裏切られながらも、話し合いの場を持とうとしていた。
     そんな同社長の粘りが通じ、ようやく連絡が取れ、会って話をする機会を得られた。「いろいろと話す中で、うちの仕事を続ける気がないことが分かった」という同社長は、「このままでは、会社にも、ドライバー本人にもよくないからと、辞職を促した」という。
     それに対し、ドライバーも納得して受け入れたという。ドライバーの自己都合での退職で済ますことも可能だったが、ただ、自己都合での退社となると、失業保険がすぐに下りないことから、会社都合での解雇として処理。同社長の思いやりであった。
     ドライバーは円満退社し、会社は平穏を取り戻したはずであった。しかし、辞めてしばらくして、ある弁護士事務所から封書が届いた。辞めたドライバーの残業代や深夜割増賃金の未払い分を請求する内容だ。
     話が違うと掛け合うが、状況は変わらず、同社は結局、元ドライバーから労働審判を申し立てられてしまった。元ドライバーは、一方的な解雇だと主張した上で、残業代の未払いなど1000万円超を請求してきたという。「未払いが出ないように賃金規定を改定しているため、請求はほとんど退けられる」と主張する同社長だが、「金額うんぬんよりも、訴えられたことにはらわたが煮えくり返る思い」と吐露する。
     ドライバーを思いやって、情けをかけたことが、結果的に裏目に出てしまった。「飼い犬にかまれるとは、こういうことをいうのだな」と話す同社長。「裏切られたことが本当に辛いし、切ないなあ」と肩を落としている。

     
     
     
     

    この記事へのコメント

     
    1. ポーク says:

      社員を飼い犬呼ばわりするのはいけないと思う。
      会社は社員の働きによって収益を得ていて、それによって社長も生計を立てられているのに、社員を上から目線で飼い犬呼ばわりするような考え方はおかしい。
      そして、おそらくそういう考え方が日頃の態度となって現れるから、その態度が社員からの反感を買ったことによって訴えられたのではないだろうか。

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    2. 匿名 says:

      私なら金利分まで請求しますけど、何か?

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