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    「上限900円」に賛意表明した維新の会

    2011年11月23日

     
     
     

     阪神高速道路の料金改定案に対し地方議会、なかでも大阪府議会の動向に注目が集まった。「上限900円」とした阪神高速側の案に対して、府議会で第一党の地域政党「大阪維新の会」が反対の立場を早々と表明し、料金改定の法的要件となっている議会での同意が得られないのでは、との観測があったからだ。ところが10月中旬の委員会採決では一転、維新の会として「900円」の原案に賛意を表明した。「高速道路行政の地方移管(ハイウェーオーソリティー)か、料金の実質引き下げか? 府議会の当時の状況は、そうした選択のせめぎ合いにあった」。阪神高速料金問題で維新の会のプロジェクトチーム(PT)リーダーだった西野修平氏はそう説明する。


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     西野氏らPTが9月に作成した「対距離料金制への移行に関する提言」によると、上限を900円としたときの料金案では阪神高速の料金収入は年間2000億円(2014年度予測値)に達する。「上限700円」では年間1770億円。いずれも阪神高速側の資料をもとに試算されたもので、裏を返すと「230億円、利用者負担が増える」として維新の会府議団が反対の論拠の一つとしていた。
     利用者負担、府民負担にしたくない。同氏は、維新の会代表も務める橋下徹大阪府知事(当時)にPTとして料金改定問題に取り組むことを伝え、「やって下さい」の回答を得たという。
     「道路整備特別措置法」では、阪神高速が料金を改定する際には道路管理者である知事や政令市長など首長の同意を得なければならないと定められている。また同様に、首長が同意する時には県会や市会などの同意が必要と定められてもいる。つまり、議会の同意を得ようとすれば首長が議会に議題提案するのだが、大阪府の場合は知事が府議会第一党の代表も務める状態。党の代表として党の主張と、行政の長としての政策に齟齬(そご)が生じないようコントロールすることは可能だ。
     PTは9月1日に「上限700円」を提案。しかし府によると、同20日の府議会で、「上限900円」の議題が提起されている。つまり橋下氏は、党首を務める党から出されている政策とは異なる、より府民負担の大きい議案を提起したことになる。
     橋下氏と西野氏は府議会の委員会で議論を戦わせた。上限700円でも阪神高速のコストカットや債務返済機構の金利の圧縮で府民負担が減らせるとする西野氏に対して、橋下氏は、「700円で(返済して)いけるとまでは思っていない」などと、現状肯定的な答え方に終始した。
     西野氏の主張は、いまの高速道路行政は道路整備特措法上の議会の同意が得られないことは想定されていないということだ。だから、もし議会が否決すれば別の案を国・阪神高速が出してくるはずということ。一方の橋下氏は、高速道路を関西で一元管理できるような受け皿をつくり、地域の実情に応じたような弾力的な料金体系や路線の整備をしていくハイウェーオーソリティ構想を進めていくには、「行政マンが動ける環境も大事」と主張した。
     その後、法の不備を突くような雰囲気は一部を除いて維新の会から消えていったという。10月19日の委員会では、維新の会として府の提案に賛意を表明。西野氏は、「権利行使できるのにどうして自ら放棄するのか。高速道路問題は馴れ合い政治をやってきた最たる部分。国交省に負けた。知事も負けた」と本紙に話した。PTでは今後も、府議会が料金案などを逆提案できるような法改正も求めていく予定だ。

     
     
     
     

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