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    北海道の有力物流拠点、石狩湾新港が企業誘致に注力

    2012年1月17日

     
     
     

     大震災後、産業基盤の分散化・複線化の必要性が強く認識されるようになった。北海道では有力な物流拠点となる「苫小牧東部」「石狩湾新港」の両地域での企業誘致に力を入れている。
     両地域の物流拠点としての現状などについて、北海道経済部産業振興局産業振興課苫東・石狩グループの岩城秀二郎主査、佐々木晃幸主幹に話を聞いた。
     苫小牧東部地域(苫東)は、苫小牧市、厚真町、安平町にまたがる1万700ヘクタールの工業団地面積、5500ヘクタールの分譲対象面積を擁する日本最大の複合開発地域。北海道の貨物量の50%を扱う苫小牧港に加え、新千歳空港まで車で15分程度の距離にあり、札幌までは車で約1時間。高速道路のICにも近く、JR苫小牧貨物駅まで約9km、国内のみならず海外へのアクセスもスムーズな国内最大の工業基地だ。分譲価格は9000~1万5500円/平方m。


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     岩城主査は「ダブルポートに近いことが最大の強みで物流拠点として最適。とりわけ苫小牧港は道内で唯一、北米航路を持っており、ハブ拠点として活用してもらいたい」と話す。また、「面積の約3分の1が緑地のため工業団地のイメージを覆す自然溢れた産業拠点。札幌に比べ、降雪量が4分の1程度と少ないのもアピールポイント」という。
     しかし、これまでの分譲済み面積は1000ヘクタール余りと分譲率が20%に満たないのが現状。進出企業は88社。陸海空全ての交通アクセスに優れた拠点だが、「重厚長大産業向けを想定して当初は団地を造成したが、経済状況や産業構造の変化に伴い、方向転換したことが低分譲率の理由」と話す。
     石狩湾新港地域は、札幌駅から15kmの好立地にあり、国際貿易港・石狩湾新港を核とする総面積約3000ヘクタールの産業拠点。石狩市と小樽市にまたがり、分譲可能面積1300ヘクタールのうち827ヘクタールと約64%が分譲済み。分譲価格は1万2000~1万3000円/平方mで提供。700社を超える企業が進出している。
     佐々木主幹は「札幌の中心地まで車で30分という立地環境が一番の強み。とりわけ、冷凍・冷蔵倉庫に関しては道内一の収容能力を有している。大手メーカーの物流センターや営業倉庫が多数立地している」と話す。同地域は札幌圏の食品供給基地となっており、冷凍・冷蔵倉庫は約21万㌧の収容能力を現時点で持っている。
     近年、LNGを中心としたエネルギー供給基地や、環境配慮型のデータセンターの拠点としても注目を集めている。
    ■目指すは「物流コストの低減」
     産業の立地を考えた場合、北海道は「物流コストの高さ」や「部品調達などサプライチェーン」の面が大きなネックとなる。北海道経済産業局が発表したデータによると、最近の道内の工場(1000平方m以上の用地取得を対象)立地動向は、平成19年の65件をピークに一昨年は35件、昨年は20件と過去最低を記録し、今年も上期で13件と昨年並みの水準。厳しい状況が続いており、運ぶモノが増えなければ、物流拠点としての魅力は薄れてしまう。
     北海道は土地が安価で、自然豊かな生活環境が人を惹き付けるが、それだけでは産業拠点としての発展は見込めない。しかし、高い物流コストを低減させる仕組みを道内の物流事業者が構築できれば、産業誘致を後押しすることもできるはずだ。
     「モノがないから運べない」という発想から抜け出し、「安く運ぶ仕組みを作ってモノを増やす」ために、道内の物流業界は優れた知恵を結集させるべきだ。
    ◎関連リンク→ 北海道経済部産業振興局産業振興課

     
     
     
     

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