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    「裏書」で信用失墜 わからなかった荷主倒産

    2012年1月31日

     
     
     

     資金繰りの融通が利き、ビジネス社会で当たり前に流通する手形取引だが、リスクも大きく、誤ると会社の存続さえ左右する事態に陥る。首都圏の事業者は、手形を振り出した荷主の倒産によって被害を受けた。ただ、金銭的被害はそれほど大きくはなく、会社が傾くというほどではなかった。しかし、手形取引によって、同社は見えない財産に大きなキズを付けてしまったという。


     トラック業界では、手形取引を一切しないという事業者も多い。しかし、顧客である荷主に逆らえず、手形取引を行う事業者もまだまだ多いというのが実情だ。同社も通常は手形取引をしないが、1社だけ手形取引を行っていた。建築の内装メーカーであった荷主とは付き合いが長く、経営者同士が同郷というよしみもあり、深い信頼関係が築けていたはずだった。リーマン・ショック以降、その荷主が厳しい経営環境にあるという噂を耳にしながらも、信用して取引を続けていた。
     しかし、昨年11月、風向きが変わった。同社社長によると、仕事が急激に増えたのだという。震災の復興で忙しいこともあり、疑問を抱きながらも同社は仕事を続けていた。わずか10日で1か月分の仕事をこなしたという。そして、仕事が一段落した11月下旬に荷主の倒産に直面する。
     同社長が気付いたときには、もうすでに手遅れだった。荷主の倒産によって受けた同社の損害は数百万円に上った。中小企業である同社にとって大きな痛手ではあったが、会社の存続に影響を与えるほどでもなかった。
     しかし、金銭的には問題はなかったが、それ以外のところで問題が発生した。同社は、荷主から受け取った手形に裏書をしていたのだ。当然、その手形が紙くずになった以上、その手形を渡した相手に、同社が手形の金額を弁済しなければならない。「迷惑をかけたということで、弁済は額面の金額だけでなく、迷惑料も付加しなければならない」と同社長はこぼす。
     ただ弁済で済む問題でもなかった。「荷主が倒産したという事実と、不渡りになるような手形に裏書したということで、うちの信用に大きなキズが付いてしまった」という。
     「取引相手が、うちを警戒するようになり、これまでのようなスムーズな取引ができなくなる」と指摘する。実際、同社には取引先から問い合わせの電話が殺到。「荷主が倒産したのだから仕方がない」としながらも、「悪い噂は本当にあっという間に広がるなあ」と嘆いている。
     「仕事が急に増えると要注意というが、まさにその通りだった」と振り返る同社長は、「長年の付き合いといっても、受け取る側のリスクの高い手形取引はやってはいけない」とし、「ましてや裏書なんかは、絶対にやるもんじゃないよ」と自戒をこめて話している。

     
     
     
     
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