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    軽油価格急騰に苦悩 販売枠引き下げや保証金要求

    2012年4月11日

     
     
     

     価格急騰と購入先など、軽油に苦悩するトラック事業者が増えている。厳しい経営状態が続く商売相手に対し、軽油ディーラーも与信管理の徹底など取引内容を引き締め、販売枠の引き下げや保証金を求めるケースも珍しくない。
     さらに近年、ドライバーの労働時間が厳しくチェックされるようになったことで、やむを得ず運行経路の全線で高速道路を利用する事業者も増えているが、変更ルートには取引する給油所がないという問題も頭を痛める材料。「トラック事業にとって燃料問題は一番大きいだけに、持ちこたえられない事業者が続出するのではないか」との悲鳴も聞こえる。


     大手燃料ディーラーの関係者によれば「新規の取引をシャットアウトしているわけではないが、既存顧客の与信管理や、避けられない大幅値上げの交渉に集中しなければならない」という。運送会社ごとに設定された販売枠は金額がベースになっているケースがほとんどのため、軽油の単価が上昇することは運送事業者にとって購入量が目減りすることを意味する。
     スタンド給油をしている岡山市の運送会社は以前、「価格交渉の余地がなく、営業マンに誠意もなかった」という理由で取引ディーラーを絞り込んだことを後悔している。現在は2社から購入しているが、1社は全国展開しているものの購入枠が設けられており、別の1社は地元にしかSSを持っていない。そのため、かつて取引のあった大手ディーラーとの「復縁」を試みたものの、そう簡単にはいかない様子。
     インタンク設備を持っている広島市の運送会社には過日、支払い条件に注文が入った。社長によれば「これまでは末締めの翌々月払いでやってきたが、それを翌月に繰り上げるか、もしくは保証金を入れてくれといわれた」と話す。「保証金を積むくらいなら、ほかにも燃料業者はある」と強気を通したものの、グングンと値を上げる軽油の動向に「値段うんぬん以前に、量的な確保も考えないと…」と悩ましい表情を浮かべる。
     「取引に一定の空白期間があれば、それはもう新規と同じ。はっきりいって短期間での支払いや、保証金を要求するのは断り文句のようなもの」と、あるディーラーの幹部。「どうせ保証金を積むなら現在の取引先ディーラーにすべき。その分だけでも多く買えるわけだし、幅広く使えるメリットなどをアドバイスしながら信販系カードの利用を勧めるくらいしかできない」と打ち明ける。
     一方、関東方面への長距離運行を手掛ける広島県福山市の運送会社には、ドライバーの労働時間の問題も絡んだ苦悩がある。「料金を別建てでもらえないこともあって高速道路は部分的に使うだけで、一般国道に下りてから取引SSで給油しているが、労働時間を守るためには全線高速でなければ無理がある」と同社の専務。そこで問題になるのが、高速道路のルート上に取引のある給油所がないこと。「給油のためだけに、いったん高速道路から出るようなことはできない。せっかくの深夜割引も意味がなくなってしまう」と悩みは尽きない。

     
     
     
     

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