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    トラック売って現金集め、嘘の証言するドライバー

    2012年4月19日

     
     
     

     「信販系の給油カードを使うしかなくなったら、もうトラック事業を畳むべきだと思う」と軽油販社の関係者は話す。一方の運送現場からは、「インタンクでもリッター150円に迫った平成20年のときは、それ以前が同60円レベルで安定していたから倍増を超える暴騰ぶりに大騒ぎとなったが、今回は同100円に慣れ切ったなかの値上げ。そのせいか、みんな恐ろしく冷静だ」と、おとなしい業界の姿勢を皮肉る声も多く聞かれる。明らかな赤字経営が続く運送現場では、再びトラックを売却して現金をかき集める経営者の姿も見られ始めているが、一方では「ブレーキが利かなかった」としてドライバーが起こした交通事故の原因を、会社側の「点検整備の手抜き」と主張する信じられないトラブルも起きている。


     2年ほど前から顕著になった営業トラックの全国的な減車傾向には、幾分か歯止めが掛かっている感もあるが、依然として運送事業者の電話ベルを鳴らすトラックの買い取り業者は多い。「プレートを外して倉庫代わりに使っていたトラックが、前回の軽油暴騰時に予想もしていなかった値段で売れた」と振り返る広島市の社長は、3月に入り、増トンのウイング1台と4tバン車1台を売却した。
     同社には十数台のトラックが残っているが、資金繰りのために数年前、いったんリースバックを活用してトラックを現金化して以降は全車がリース契約。売った2台は「新しい下請け仕事が入ったために、ここ2年ほどの間に中古で買ったもの」という。
     「中古業者の話では最近、なかなか乗り手が見つからないトラックを手放す小規模の運送事業者が増えているとのことだった」と社長。中古市場に同程度のトラックがダブついているような言い回しだったようで、「残債と相殺すれば気が抜けるような金額で、とても燃料代などを工面するレベルでは売れなかった」と残念がる。
     話を聞いた買い取り業者からは、判を押したように「見積もりの依頼件数が確実に増えている」という声。ある中古車業者は「関係書類がそろったうえでトラックとの引き替えが原則だが、少しでも早く手元資金が欲しいのか書類の準備は早い。こちらも毎日のように現金が出ていくので大変」と買い取りの現場事情を打ち明ける。
     こうした厳しい資金繰りの一方で、心ないドライバーの言動によって災禍に見舞われるトラック事業者の例もある。保有する10台ほどの点検整備も自分でこなしてきた西日本地区の運送会社に起こった災難も、その一例。すでに解決した模様だが「一時はメーカーや運輸支局、警察など多くの関係機関が入った」という事件は、ドライバーの「ブレーキが利かなかったために事故は起きた」という一言で始まったという。
     「古いトラックだった分だけ、3か月などの法定点検だけでなく、常に車両の様子に気を配っていた」と社長。細かな検査の結果、制動系統をはじめ車両に異常はなく、ドライバーが嘘をついていたことも判明した。ただ、チェックの過程で、あれこれと資料の提出を求められた社長は「死亡事故ではなかったからよかったが、場合によっては整備の部分だけではなく、労働時間や、それ以外の細かなところまで調べられたかもしれない」と話す。
     意外にも同様のトラブルは各地でも発生している。なかには、重大事故を起こしたドライバーが「ブレーキが利かなかった」「会社の整備不良が原因」と証言したことで、運送事業者とドライバーが法廷で争うという非常事態も発生。事情に詳しい関係者は「タクシー(AT車)の経験を持つトラック運転者に聞いた話では、ブレーキを踏み込んだ右足のかかとがアクセルペダルに残っていたことで、結果として『ブレーキが利かなかった』とドライバーが主張した事故があるという。トラックでは考えられないことだが、免許証が取り消しになれば直ちに生活に困るドライバーを相手に、あれこれ知恵を授ける団体が存在するようだ」と注意を呼び掛けている。

     
     
     
     
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