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    地域密着型の車体広告 コストなど従来の問題点克服

    2012年4月24日

     
     
     

     札幌市から新しいラッピングトラック(車体広告)の仕組みが動き出す。札ト協の顧問行政書士を務める佐々木ひとみ氏(ホクレア、札幌市東区)が中心となり、「収益の減少に苦しむ中小トラック運送事業者」と「地域の商店・中小企業」の双方にメリットが出るよう「手軽・ローコスト・地域密着」というビジネスモデルを開発した。
     北海道毎日輸送(同白石区)と毎日軽自動車運送事業協組(同)の代表を務める笠松利紀氏の協力の下、2トントラックの第1号車が完成し、3月24日から広告募集を訴える初めての広告を掲載した。4月23日に市内で説明会を開催して参加者を募集し、掲載が可能か同市の審査を経た後、6〜7月をめどに本格運用を開始する予定だ。


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     同市には任意団体の札幌ラップトラック推進協会(松橋謙一会長、同東区)があるが活動を休止しており、現在は佐々木氏が事務局代行を担当している。ラップトラックには従来、「着脱が大変」「コストが高い」「申請が面倒」「営業が難しい」といった多くの問題点があったが、佐々木氏はこれらの問題をクリアした形で事業化できないか5年程前から構想を練っていた。
     北海道中小企業家同友会札幌支部での交流をもとに、運送事業の笠松氏のほか、印刷・デザイン事業の矢吹英俊氏(ホクラミ、同中央区)、板金事業の櫻井信夫氏(櫻井、同東区)、自動車整備事業の大谷潔氏(道央自動車、同東区)の協力を得られるようになり、この半年で構想から具体的な事業化へと向かった。ノウハウが流出しないよう、事業化に携わったメンバーでLLP(有限責任事業組合)を設立し、事業の運営を行っていく考えだ。
     新しいラップトラックには、独自に設計・開発した金属製のフレームを車体に取り付け、「紙芝居」のように広告の着脱が容易な仕組みを採用した。軽くて強度があり、安いフレームを求め、試行錯誤を重ねた。運送会社は、このフレームの費用を負担するだけで広告の営業や作成は事務局側が請け負う。
     フレーム代は「横2m、縦1m程度の大きさで10万円もかからない」という。この大きさの広告掲載で、月3万円、年間36万円程度の収益になるよう考えている。フレームの大きさは任意に設定することが可能だ。
     参加する運送会社には、Gマークかグリーン経営認証のどちらかを取得するなど一定のハードルを設ける。「万が一、事故やトラブルが起きた場合、クライアントに迷惑がかかるので、安全・エコ運転について意識の高い会社に参画してもらいたい」と説明する。
     広告のクライアントは、同友会メンバーを中心とした地元の中小企業や商店に絞り、「広告のデザイン料、掲載料を合わせ月20万円程度から気軽に出せる金額」を設定する。広告代理店を挟まず、メンバーが協力するため、従来のラップトラックより大幅に安価な金額で広告が出せるようにした。
     「クライアントを獲得していくことには十分自信を持っている。フレームを付けたが広告が全然入らないという事態が起きる心配はないと思ってもらっていい。逆にトラックが足りなくなることを心配している」と話す。屋外広告物にあたるため、市の審査が必要となるが、これら手続きも専門家である佐々木氏の得意分野だ。
     新しいラップトラック事業により「道内の中小運送会社の適正化・活性化を後押ししたい。地場の運送会社に少しでもお金を落とす仕組みをつくりたかった」とし、「運送会社とクライアントの間に事務局が入ることで広告料金や、広告料金を原資とした運賃のダンピングが発生しないようにする。また、事務局が手数料で稼ぐつもりもない」と説明。「1年間で100台くらいのトラックに広告を掲載したい」と意気込みを見せている。
     第1号のトラックを提供した笠松氏は「すごくきれいな広告で、出来映えに満足している。このトラックは給食配送に活用しているが、ラッピングについて荷主に説明すると面白がってくれた。軽貨物事業も行っているので、荷主の問題がない車両には、どんどん広告を載せていきたい。月に3万円の純益なら燃料高騰分をカバーできる」と話している。
     新しいラップトラックについて、既に札幌市以外でも旭川や釧路市など道内のほかの地域からも引き合いが来ている。当面は道内のみでの展開となるが、ほかの都府県から引き合いがある場合はビジネスモデルとして提供する可能性があるとしている。

     
     
     
     
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