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    下請法改正を検討 中小企業庁「対象外取引での違反指摘」

    2012年9月7日

     
     
     

     中小企業庁が下請法(下請代金支払遅延等防止法)の改正を検討し始めた。現在、同法の対象となる取引は制限され、(1)売買取引(2)カタログ販売(3)自己のための役務提供委託(工作機械メーカーが自社の清掃の一部を清掃業者に委託する場合など)(4)同一資本金区分内の委託取引――については下請法の対象外。現実には対象外取引にも多くの「下請けいじめ」が指摘されるため、中企庁では「実態を把握・整理し、これらの取引についても規制対象とする必要性があれば早急に法改正を検討する」と動き出した。特に資本金区分は「問題がある」として、改正は必至との見方が強い。


     中企庁は8月1日から24日にかけて、大企業5000社、中小企業2万社を対象に「大企業と中小企業との間の取引の実態等に関する調査」(アンケート)を実施した。「取引に係る不当な行為が中小企業に与える影響及び具体的態様」「規制を強化した場合の中小企業等に与える影響」「取引に係る不当な行為についての中小企業の相談の実態」を主に調査、9月下旬に取りまとめを行うという。
     改正を検討しているのは中政審(中小企業政策審議会)の中に置かれた〝ちいさな企業〟未来部会で、8月28日に開かれた会合でも「アンケート調査結果を踏まえて、具体的な検討に入る」ことを改めて確認した。
     現行の下請法は、前回の改正でトラック運送事業を対象とする「役務提供委託」が加えられ、「請け負った貨物運送業務の一部の経路の業務を委託」した場合に適用されるようになった。ただ、取引内容で明らかに同法違反が認められるケースでも、もう一つの対象範囲基準「資本金区分」で同法対象外となり、泣き寝入りするトラック運送事業者は数多いという。
     資本金区分では、資本金が「親事業者3億円超で下請け事業者3億円以下」または、「親事業者1000万円超3億円以下で下請け事業者1000万円以下」(いずれも個人含む)と規定。すると「親事業者が資本金3億円で下請けが資本金5000万円」では対象外となる。
     こうしたケースはトラック業界では珍しくなく、資本金区分の規定で、親事業者が日常的に「禁止行為」を行っていても国は取り締まることができない。「資本金区分で下請法の対象外となるのは欠陥法と言わざるを得ない」と指摘する未来部会のメンバーもおり、「同一資本金区分内の委託取引」の見直しは必至と見られる。

     
     
     
     

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